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【ウインターカップ2018 コラム】U17ワールドカップを経験後、より積極的に、より責任感を持ってプレーするようになった森岡
バスケットボールレポート by 青木 崇「つくのが苦手で好きじゃなかったんですけど、そこで外国人しかいないチームと何回も試合をさせていただいて、守り方とかたくさん教えてもらえた。その部分では、外国人に対して守ることで身についたところもありますし、当たりを嫌がらずにつくことができるようになったかなと思います」
ハディ・ダフェ、イベ・エスターチカンソという岐阜女の留学生2人を相手に、大阪薫英女学院の森岡奈菜未は、U17ワールドカップでの経験を生かしながら、1試合を通じてハードに戦い続けようと心がけた。ダフェに31点を奪われるなど、ゴール下にボールが入ってしまうと、180cmの森岡では止めようがない。それでも2Qにダフェのショットを背後からブロックするなど、U17ワールドカップに出場した日本代表になぜ選ばれた理由がわかるプレーを何度も見せていた。74対92のスコアで岐阜女に敗れて準優勝に終わった決勝戦後、安藤香織コーチは森岡をこう評価する。
「前半ファウルを抑えるように言ってしまったので、特にディフェンスに対してのアグレッシブさに欠けたかなと思います。ただ、やられても自分で取り返そうという気持があって、(ゴールに)向かい続けていたし、シュートも打ち続けていたので、本当によくやってくれたと思います」
40分間フル出場した森岡は、清水咲来の23点に次ぐ17点をマークし、リバウンドも6本奪った。20本中7本のFG成功と確率はいまひとつに終わったといえ、「リングに向かってないというのはなかったと思います。先生もできることはやったと言ってくださったので、その辺はよかったと思います。でも、もっと決められるシュートがあったし、リングに向えたところがあったと思いますし、もっと止められた部分もあった。個人的にはまだまだ改善して行かなければいけないところがあった」と振り返る。
決勝の岐阜女戦で留学生2人、準々決勝の八雲学園戦でスコアリングマシンの奥山理々嘉とマッチアップした森岡の奮闘がなければ、大阪薫英女学院の決勝進出はなかっただろう。特にオフェンス面ではポストプレーだけでなく、ドライブからのフィニッシュ、3Pシュートなど、得点パターンの多い選手に成長していることが大きい。留学生相手にディフェンスしながら17点を奪うことができたのは、この1年間でスキルがレベルアップした証と言える。
U17ワールドカップから帰国した直後のインターハイでは、時差調整や移動の疲れもあって本来の力を出し切れずに終わっていた。また、日本代表であまり出場機会を得られなかったこともあり、森岡の悔しさは倍増。安藤コーチも「2年生だけど自分がチームの中心でという感じになった」と話すなど、メンタル面での成長にもつながった。2年生ながら背番号6をつけることになったのは、上級生と同じ責任感を持って取り組むと強い気持ちを表すもの。6番をつける決意をした理由について質問されると、森岡は次のように返答した。
「来年もそうですけど、もっと自分がしっかりして、上の人たちに任せるのではなくて、自分が中心にならなければいけない。もう一人スターターの2年生がいますけど、その人に任せてばかりは嫌だと率直に思ったので、自分が着たいと言いました」
このウインターカップで森岡は、ほとんどの試合で40分出続けられたこと、コートに立ち続けるということで、最低限の責任を果たしたと感じている。しかし、もっと得点とリバウンドを奪うといったプレー面全般では、まったく納得していない。1年後、攻防両面で存在感を示す大黒柱として、この舞台に戻ってくるつもりだ。森岡と大阪薫英女学院の仲間たちは、それを現実にするだけの可能性を秘めている…。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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