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バスケット ボール コラム 2018年12月27日

【ウインターカップ2018 コラム】異次元レベルのスピードと視野の広さを武器に試合を支配した河村

バスケットボールレポート by 青木 崇
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福岡第一 No.8 河村勇輝

福岡第一 No.8 河村勇輝

「ここというところが強烈ですよね、あのブレイク(速攻)は。わかっていても止められない」

東海大付諏訪の入野貴幸コーチは、63対86で敗れた福岡第一戦をこう振り返る。福岡第一に勝つための絶対条件は速攻からの失点をいかに少なくするかということもあり、トライアングル2というディフェンスを使いながら、なんとかハーフコートの展開に持ち込もうと試みた。

しかし、福岡第一の司令塔である河村勇輝が持つ異次元レベルのスピードは、東海大付諏訪のディフェンスを粉砕した。キャプテンの北村孝太や糸瀬公平に密着マークされても、チームメイトが奪ってからのパスを受けたときに加え、すばやい反応から自身でリバウンドを奪うと一気にボールをプッシュ。U18代表でもコンビを組んだ松崎裕樹を筆頭に、チームメイトたちが呼応して走り、絶妙なタイミングでパスをもらってフィニッシュするシーンが何度も見られた。

特に4Q序盤から中盤にかけては、松崎、小川麻斗、古橋正義が立て続けに速攻からのフィニッシュをアシスト。スピードと視野の広さを発揮してのパスには、武蔵野の森スポーツプラザに足を運んだ観客から「ウォー!」という感嘆の声が出ていた。変則なゾーン・ディフェンスに直面してうまく行かない時間帯があったものの、タイムアウト中に井手口孝コーチから「2人につかれたら考える。1人で付かれている分には当たり前だからやりなさい」というアドバイスを受けことで、河村は本来の姿を取り戻して15アシストを記録する。

8本中2本成功とシュートの精度がいまひとつで、フリースローも3本外したこともあって、この試合の得点10。27点を記録した飛龍戦のような得点力は発揮できなかったといえ、168cmの身長ながら2試合連続の10リバウンドを奪った。2分55秒にオフェンス・リバウンドで10本目を記録したシーンは、ボールへの反応と読みからくる抜群のポジショニングによるもの。10点、10リバウンド、15アシストのトリプルダブルという偉業を成し遂げたが、コート上における存在感は数字をはるかに上回る。初めてのトリプルダブルを達成したにもかかわらず、試合後の河村は淡々としていた。

「10点も決めたんですか? あまりシュートを決めている印象がなくて…。別にスタッツはあまり考えていなくて、チームの勝利が一番ですし、そういう結果についてくればいいかなと思います。個人の結果よりもチームですから」

ただし、15アシストで勝利に貢献できたのでは? という問いに対しては、「自分がシュートの調子がよくなかったことでチームに迷惑をかけてしまったので、アシストを多めにやっていこうと思ったから、それが効いてよかったです」と評価。ただし、井手口コーチが「6割7割くらいですかね」と語ったように、河村は自身のパフォーマンスについて決して納得していない。

U18アジア選手権で対戦相手を撹乱したスピードは、ウィンターカップでさらにギアを上げた感がある。準決勝の相手は、U18代表でガードコンビを組んだ富永啓生を擁する桜丘。「小さいからこそできる部分をフル活用してやっていかないと、バスケットは成り立たないと思っていますので、負けない気持でやっていきます」と語る河村が、スコアリングマシンとして注目を浴びている富永の前で東海大付諏訪以上のパフォーマンスを発揮し、チームを勝利へと導くのか? 28日15時20分ティップオフの準決勝が待ちきれない。

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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