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彼らを止めるには、どうしたらいいのか。向かうところ敵なしの福岡第一(福岡)に、東海大諏訪(長野)が策を練って挑んだが、及ばなかった。ウインターカップ2018第71回全国高校バスケットボール選手権大会は27日に第5日を行い、男子は4強が出そろった。最も勢いのある勝ち上がりを見せているのが、福岡第一だ。U-18日本代表の松崎裕樹(3年)と河村勇輝(2年)に加えて長身留学生も躍動している。最初の挑戦者となった東山(京都)、3回戦で立ち向かった飛龍(静岡)は、ともに力のあるチームだが、それでも完敗を喫した。3チーム目の刺客となった東海大諏訪も、63-86で敗れた。
インターハイ4強の東海大諏訪は、相手の松崎と河村に密着マークで対抗。前半は離されずに食らいついた。しかし、第2ピリオドで21-21に追いついたところから、一気に引き離された。松崎をマークした東海大諏訪の高原伊吹(2年)は「高さのある選手でジャンプシュートが入るし、ドライブもある。体も強い。どこからでも点が取れる選手で、上手かった」と脱帽だった。高原自身は3ポイント3本を含むチーム最多22得点を挙げ、リバウンドも8本を記録するなど好プレーが目立ったが、それでも相手を止め切ることはできなかった。
ほとんどボールを見ず、河村にフェイスガードを仕掛け続けた糸瀬公平(3年)も「彼(河村)がキーマンになると思っていた。前半は、彼の得点を10点以内に抑えようということで試合に入って、良い感じで展開できた(河村は、前半で5得点)。でも第3ピリオドで、情けないプレーになってしまった。彼は、めちゃくちゃ速い。まず、ボールを持たせないようにしようと思っていたけど、見失って速攻を何本も仕掛けられてしまった」と悔しさに肩を震わせた。
相手の攻撃を抑えた時間に、より強力な攻撃を仕掛けたかったが、簡単ではなかった。東海大諏訪の入野貴幸監督は「松崎選手のところをもっと攻めて、あのファウルを早くさせたかった」と話した。松崎は前半で2ファウルとなったが、3つ目は第3ピリオドの終盤だった。相手が乗り切れないうちにファウルトラブルに持ち込もうという策はあったが、攻撃力を削ぐだけに留まり、引き離された。試合時間の残り2分ほどで25点差をつけた福岡第一は、これまで同様に控え選手に総入れ替えしてゲームを終えた。3試合目もまた完勝だった。
一方、東海大諏訪は、敗れたものの、チーム戦術による対抗力と、下級生の能力の高さは示した。コントロール力の高い司令塔の黒川虎徹(2年)、身長186センチのオールラウンダー高原、インサイドで強靭なフィジカルを駆使する米山ジャバ偉生(2年)、シューターの渡辺大佑(2年)といった面々が、この日の完敗からどう成長するか。来季の巻き返しが楽しみだ。
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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