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バスケット ボール コラム 2018年12月27日

【ウインターカップ2018 コラム】昭和学院が「脇役」の活躍で女王・桜花学園を撃破

バスケットボールレポート by 平野 貴也
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勝利を喜ぶ昭和学院の選手たち

勝利を喜ぶ昭和学院の選手たち

ウインターカップ2018第71回全国高校バスケットボール選手権大会は、26日に第4日を行い、女子の昭和学院(千葉)は75-73で桜花学園(インターハイ優勝)を破って3年ぶりの4強進出を果たした。最後まで勝敗が分からない激闘だった。昭和学院は残り1分でガードの星杏璃(3年)がドライブから得点して75-70とし、次の攻撃ターンではショットクロックを無視してパスを回して、相手の攻撃時間を減らした。しかし、桜花学園は残り10秒で岡本美優(3年)が3ポイントを決めて2点差まで追い上げ、意地を見せた。最後は、桜花学園の江村優有(1年)が強引にロングシュートを放ったが入らず、勝敗が決した。

勝った昭和学院は、2015年に4強入りしているが、当時は、赤穂ひまわり(デンソー)という世代屈指の選手がチームを引っ張っていた。今年は、指導者、選手ともに「スターがいない」と認める集団だが、どこからでも得点を狙える。中でも、ポイントガードの星とフォワードの大竹優香子(3年)が主軸と言える存在だが、この日は2人だけでなく、いわば「脇役」の健闘が目立った。

まず、序盤から増田泉美(2年)、三田七南(1年)がインサイドでしっかりと戦い、相手の留学生を前半で3ファウルに追い込んだ。三田は「最初から、逃げないプレーをするように先生に言われていた。増田さんと『相手の15番がファウルアウトになるくらいに行こう』と話をして、相手をかわすのではなく、かわさないでファウルをもらいに行こうと思ってやっていた」と明かした。

シューティングガードの西江瑠加也ワリペ(3年)は、スティールを6つ決めた。相手がボールコントロールを失った場面や、相手の背後にいて気付かれていない隙を突ける場面で、次々にボールを奪取。「相手は、コートに立っている3年生が彼女だけ。最後の大会で一番強い気持ちを持っていると思った。攻撃で絶対に自由にボールを持たせないようにしようと思っていた」と話した通り、相手のキーマンである坂本雅(3年)のマークという役目もきっちりと果たした。

そして、第2ピリオドからは試合のペースを変える「シックスマン」の黒澤楓(3年)の活躍が目立った。「インターハイでは、シュートを20本以上打って、4本くらいしか入らなかったので、悔しい気持ちを持って練習をして、自信に変えて来た」という外角シュートで相手を強襲。ショットクロックのブザーが鳴る中で3ポイントを決めて勢いに乗ると、第3ピリオドにも2本、第4ピリオドでも1本と要所で3ポイントを沈めてチームにエネルギーを与えた。

夏のインターハイでは、桜花学園に1点差で敗退。鈴木親光監督は「今日は、みんなが強気で言ってくれた。黒澤も強気で打ってくれた。西江も夏は坂本選手にだいぶやられたけど、頑張ってくれた」とチームの力を出し切って雪辱を果たした選手を称えた。

女王を破り、頂点が見えて来た。星は「今までやってきたことをすべて発揮すれば、勝てる。また一戦一戦、戦いたい」と大きな山を越えた後の戦いを見据えた。翌27日の準決勝では、大阪薫英女学院(大阪)と対戦する。

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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