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【ウインターカップ2018 コラム】アンダーカテゴリー代表コンビの活躍で初戦を快勝。桜花学園への挑戦に向け一歩前進
バスケットボールレポート by 青木 崇「初戦は緊張するものなので、1Qから点を取られたり、ミスをしたりとかという現象が起こるので、“気にしないで自分たちのバスケットをきちんとやるということと、ゲームを自分たちで考えたり楽しむように”と話をして(選手たちを)出した」
浜松開誠館の三島正敬コーチはこう話したが、U17代表でワールドカップに出場した鈴木侑、U18代表でアジア選手権を経験した石牧葵のワンツーパンチが、期待通りチームを牽引。鈴木はポストアップや3Pシュートといった得点センスの高さを発揮し、石牧もドライブで一関学院のディフェンスを突破して得点した浜松開誠館は、1Q中盤で20対5とリードを奪うと、最後の最後まで主導権を堅持し、105対51のスコアで快勝した。
前半で3本の3Pシュートを決めるなど19点を奪った鈴木は、「最初から気負いすぎないで楽しんでできたかな」と振り返る。「先生が思い切って楽しんでやってこいと言ってくれたので、最初から楽しんでプレーができたのでよかったです」と語った石牧も16点、7リバウンド、3アシストを記録した。
鈴木はインターハイ前にベラルーシで行われたU17ワールドカップに出場し、7試合に出場して3.9点、3.3リバウンド、2.6アシストをマーク。7位を決めたラトビア戦では7点、出場時間帯でのプラスマイナスで+11と活躍した。しかし、本人は悔しさの残る大会だったこともあり、「世界大会では自分の力を全部出し切れなくて悔しい結果で終わってしまったので、自分のプレーをしっかり出し切ることをしようとインターハイから決めて、悔いを残さないようにしようとやっています」と語る。
一関学院戦の前半で見せたオールラウンドなプレーは、ウィンターカップにかける強い気持をコート上で表現していると思えるものだった。また、インターハイの八雲学園戦では、土壇場でフリースローを2本決めれば同点で延長という局面で2本ともミスという苦い経験も味わっている。鈴木が最初から非常に積極的なプレーをしていたのは、その悔しさを晴らすという意味も少なからずあった。
石牧はインターハイ後、10月下旬から11月上旬にかけてインドで行われたU18アジア選手権の日本代表メンバーに選出。控えのガードとして全5試合に出場し、日本の銀メダルと来年のU19ワールドカップ出場に貢献している。マレーシア戦の10点を最高に5.4点のアベレージを残し、準決勝のオーストラリア戦では3P1本を含む3本すべてのFGを決めての7点を奪った。それでも、「アンダー18ではあまりチームに貢献できなかったという気が強くて、ウィンターはみんなに負けないように力をつけてがんばろうという思いでやってきた」と口にするなど、U18代表の同級生には絶対に負けたくないという意識が非常に強い。
国際試合の経験を積んだ鈴木と石牧を軸に、浜松開誠館は今大会のダークホースになりうるチーム。今回の滞在しているホテルでもルームメイトという2人は、コートを離れても非常に仲がいい。石牧が「先にいろいろな経験をして教えてもらったりしていたので、そういう面ではとても尊敬というか、いいコミュニケーションができていると思います」とコメントすれば、鈴木も「「自分たちの代は5人しかいないんですけど、5人とも仲がよくてずっといる感じです」と話す。
2回戦で対戦するのは開志国際だが、練習試合で勝っている相手。なんとしてでも返り討ちにし、3回戦でインターハイを制した桜花学園にチャレンジする機会を待ち望んでいる。石牧にとっては坂本雅、鈴木にとっては平下愛佳がアンダーカテゴリー代表でチームメイト。浜松開誠館が誇るワンツーパンチが大活躍してインターハイ王者を倒せば、三島コーチが目標で掲げている「メインコートで試合をすること」は現実味を帯びてくる。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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