【ウインターカップ2018 プレビューコラム / 昌平高校 】個性あり過ぎる昌平高　代表監督の孫に、2組の双子に、ラグビー代表候補も？

千姿万態、個性の宝庫だ。高校バスケの祭典「ウインターカップ2018第71回全国高校バスケットボール選手権大会」（23日開幕、武蔵野の森総合スポーツプラザ）に初出場する女子の昌平高校（埼玉）には、多彩な特徴を持った選手が揃っている。小柄な選手が多く、インサイドにスペースを作り、5人で外からタイミング良くスペースへ切り込んでいくスタイル自体、どこから誰が飛び出すか分からないものだが、選手交代を多く行うチームでもあり、誰がいつ出てくるかも分からない。3年生だけで16人もいるチームで、しかも、ラインナップがバラエティに富んでいる。加藤祐介ヘッドコーチは「10～12人くらいまで使って勝負するチーム。プレータイムをシェアして、フレッシュな選手を使いたい。それぞれに個性がある。長所短所を補って戦う」と話した。

主力の「似てない」双子、右か?姉の奈月、左か?妹の沙月

主将の大野紗佳は、攻守の軸。高精度の外角シュートと「とにかく真面目」（加藤ヘッドコーチ）な性格で献身的なディフェンスでチームを支える。守備面で大野とともに相手の高さに対抗するのは、2年生の越望実。元日本代表ヘッドコーチ笠原成元氏の孫だ。攻撃の核は、ガードの石垣優衣。力強いドライブで相手守備網に切り込む。もう一人のガードで3ポイントを武器とする菅野奈月と、オールラウンダーで切り札として起用される菅野沙月は「言われなければ分からない」二卵性の双子。甘えん坊の姉・奈月と、自由奔放な妹の沙月のコンビは、ずっと同じチームでプレーしていることもあり、連係は抜群だ。そして、実は、控えメンバーにも双子がいる。脇坂朱音と脇坂蒼依。こちらは一卵性の双子で、見た目はそっくり。名前に合わせて、シューズの色を赤と青にしている。

最終兵器は、J2水戸でプレーするJリーガーを兄に持つ、ンドカ ジェニファのスピードとパワーだ。166センチと決して長身ではないが、類稀な運動能力を誇る。意外とパスを好むプレースタイルだが、コンタクトプレーでは、圧倒的なパワーで相手を容易に跳ね返す。最終学年を迎えた今年、ひょんなことから日本ラグビー協会が主催する女子セブンズユースアカデミーに参加することになり、素質を認められ、大学からはラグビーに転向予定だ。

チームとして、今季は、インターハイの全国大会出場を目標としていたが、わずかに1点届かなかった。その悔しさを乗り越えるため、個性あふれるメンバーが団結し、ウインターカップ初出場の切符をつかんだ。全国大会では、初日の23日に登場し、1回戦で和歌山信愛（和歌山）と対戦する。全国デビューを果たす一戦で、どんな輝きを放つのか、楽しみだ。