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山下:4番と5番でした。中学生のときはセンターで、高校(京都府立向陽高校)に入ってからパワーフォワード、センターでした。ボール運びが下手だったので(笑)、1番はムリでした。リバウンドを取ったり、ゴール下でネチネチと頑張るタイプでしたね。アウトサイドからもシュートを打てるようにしていたので、外からのプレーも好きでした。
Q 山下さんはマンガの「SLAM DUNK」世代ですね? プレーヤーとしては同じポジションの桜木花道タイプですか?
山下:パワーフォワードでしたけど、マンガのキャラクターの中では三井が好きでしたね。
Q 部活ではキャプテンとして活躍されていたそうですが?
山下:ハイ。中学・高校ともキャプテンでした。高校進学はバスケの強い高校でスポーツに力を入れている高校を選んだのですが、僕が高校に入るタイミングでバスケ部の顧問の先生が別の高校に行ってしまって…。後任の顧問の先生はバスケの素人だったんです。入ってからどうしようってなりましたね。急に素人の方がバスケを教えることはさすがにムリがありますよね。僕が1年生のときには、3年生の先輩方ががんばって練習のやり方など自分たちで組み立ててくれていました。バスケ専門の先生が来てくれるまで自分たちだけだったので、とにかく大変でしたね。
Q 高校時代、印象に残っている練習はありますか?
山下:3メンの100本連続レイアップをノーミスで決める練習はきつかったですね。30分くらいやってみんな死にかけました(笑)。あと、体力強化期間みたいなのを設けて、練習後に10キロ走るというのもありました。それもクタクタになりましたね。バスケは、1試合通して速攻できるスピードと持久力がなによりも必要ですから。それを身につけるためのメニューをみんなで考えて取り組みました。
Q 当時、憧れのバスケットボール選手は?
山下:NBAが好きで、マイケル・ジョーダンはもちろんですが、90年代のNBAプレーヤーはみんな大好きでした。当時、バッシュはペニー・ハーダウェイ・モデルを履いていて、そこからバッシュにもハマりました。学生の頃はお金がなかったですけど、お金が貯まったらバッシュを買っていました。ただ、ジョーダン・モデルだけは試合では履きませんでした(笑)。
Q 最近のバスケットボールは見ていますか?
山下:高校卒業からバスケは離れてしまっていますが、レブロン・ジェームスあたりのプレーは見てます。あと、渡邊雄太選手の活躍はとても嬉しかったですね。田臥選手以来14年ぶりの日本人NBA選手ですし、日本人で体を張ってできるポジションはなかなか難しいですからね。留学して体が相当ゴツくなってましたね。八村選手も将来楽しみです。
Q 当時、ウインターカップはどのような目標でしたか?
山下:僕は京都の高校でしたが、1つ上の世代に洛南高校に竹内兄弟(竹内公輔・竹内譲次)がいたので、とりあえず洛南高校ともう1つの強豪の東山高校とは当たりたくないとは思ってました(笑)。京都はその2つの高校が全国でもトップクラスの実力を持っていました。自分たちとしては、京都予選でベスト16を目指して、ベスト8までいければ奇跡という感じでした。それでもウインターカップに向けて、練習を自分たちで考えて、顧問の先生にお願いして合宿をさせてもらったりして、とにかく自分たちでウインターカップまでのプロセスを作り上げていった感じでした。それも新しいバスケ部の形として表現できたのかなと思います。試合中の交代も自分たちで考えて、タイムアウトも自分たちで先生にサインを送っていました(笑)。顧問の先生が専門でなかったのは寂しかったのですが、自分たちの手で作り上げたチームでした。後輩・先輩関係なしに意見を言い合う関係性ができていましたし、こちらからもどんどん意見を言っていました。三代目J Soul Brothersは年代もバラバラだけど、グループ活動をする上でもみんなで意見を出し合うのでバスケの部活の経験が今に生かされていますね。一枚岩になってまとまらないとチームは勝てないし、ダンスでもいいパフォーマンスは魅せられません。
Q 指導者がいない中で、キャプテンとしてどんな風にチームを盛り上げていきましたか?
山下:最初は本当にプレッシャーでした。で、1つ上の先輩、2つ上の先輩が言っていたことや練習の組み立て方を思い返してはみんなに伝えていましたが、同級生には、俺一人で引っ張っていくだけではムリがあるので、同級生全員の力で盛り上げて欲しいと正直に言いました。その時、改めて指導者の大切さもよくわかりました。僕はデビュー前、EXPG(※ダンス&ヴォーカルスクール)でインストラクターをやって経験があるのですが、その時の経験も含め、いきなり難しいことをやらせてつまらないと感じさせてしまわないよう、まず興味を持ってもらい、なにも考えずに楽しく、失敗を恐れずに体を動かしてもらう。そこがチーム全体を盛り上げる第一歩かなと考えていました。
Q 高校2年の学園祭で初めてダンスに出会ったそうですが?
山下:文化祭の出し物としてみんなで踊ろうということになって、友達に誘われて初めてダンスに出会いました。3年生のときも同じように踊って、それがダンスをするきっかけになってここまでずっと踊っています。
Q バスケットボールとダンスに共通する魅力を教えてください。
山下:バスケに限らず、部活をやっている人は体力もあるし、体も動かせると思います。バスケには軽いフットワークが必要ですし、その点でダンスにはすんなり入れましたし、ブレイクダンスを踊るのには合っていたと思います。ただ、体力面では助けられましたが、細かい動きだったり、かっこいい魅せ方というのは一からのスタートでした。
Qバスケットボールで学んだことが今の仕事でどんな風に生きていますか?
山下:バスケもダンス同じように楽しいものですが、ダンスは表現で、バスケは勝敗が付く。そこに違いがあるかもしれません。ただ、1つ言えることは、どちらも練習がすべてです。練習でやったことしか出ない。練習なしでは奇跡なんて起きない。地道に練習でやったことが勝利につながっていきます。ダンスをやり始めた頃、コンテストに出たり、いろんなクラブでショーケースとして踊ることがありました。そのときのお客さんの反応を見て、自分たちに足りないものはなにかを考えました。それがバスケの試合だったとしても、敗因を考えて、次はこうしようと組み立てる。これはバスケやダンスだけでなく、勉強でも同じだと思います。テストで点を取れなかったら、その理由をしっかりと考えて、次に生かすことが大切です。
Q ウインターカップに出場する選手なにかアドバイスはありますか?
山下:なによりもバスケが好きということが一番大事です、その好きだったものが嫌いになった瞬間に、嫌いになった理由をもう1度考える時間があるといいと思います。ダンスでもあれだけ好きだったはずなのに、もうお腹いっぱいだなと思ったときが僕にもそんな経験がありました。そんな時は踊りすぎで、ダンスそのものの魅力を自分がわからなくなってしまっているんです。アウトプットばかりだと、インプットする時間がなくなってしまうので、僕は他のダンサーの踊りを見たり、映画を見たり、海外でショーを見たり、他のアーティストのコンサートのバックダンサーを見たりしていました。練習ばかりだと、将来的に行き詰まってしまうことがあるかもしれません。そんな時はどこか切り替えて、高校バスケのプレーヤーだけでなく、他のバスケやスポーツの試合を見たりして、インプットする時間を持つ。それを試合でアウトプットできるようモチベーションを上げていくことも大切です。
Q 最後にウインターカップに出場する選手たちにメッセージをお願いします。
山下:僕はバスケが大好きで、部活をやっていた6年間は一本当に生懸命やっていました。引退してからはバスケをやる機会がありませんでしたが、三代目として活動している中で、バスケをやっていて本当によかったと思う瞬間が何度もありました。バスケでつながった仲間もいますし、部活をやっていたおかげで今に生きていることがたくさんあります。ウインターカップで全国制覇をできても、優勝にたどり着かなくても、そこに向かっていくプロセスがとても大切で、その経験は決してムダにはなりません。高校を卒業しても、試合に懸ける情熱と同じ熱量があれば、同じように熱い想いを持った仲間が必ず集まってきます。夢を口にすることは大切だし、僕もいっぱい夢を語ってきました。ぜひ、みなさんも大きな夢を掲げてがんばってください。
三代目J Soul Brothers
山下健二郎
5月24日生まれ、京都府出身。
三代目J Soul Brothersパフォーマー。
グループ活動の他に俳優としてドラマや映画、舞台にも出演。
朝の情報番組『ZIP!』(NTV系、毎週月~金5:50~)火曜メインパーソナリティを務める他、ラジオ番組『三代目J Soul Brothers山下健二郎のオールナイトニッポン』(LF系、毎週金曜 25:00~27:00)パーソナリティとマルチに活躍中。
J SPORTS 編集部
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