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最終戦セレモニーであいさつする井上一樹監督(ドラゴンズ)
10月に入り、季節は秋めいてきた。それと同時に、野球界は出会いと別れの季節に入った。シーズンが終わりを告げ、オフに突入していく。
本稿では中日ドラゴンズのシーズン最終盤の戦いを振り返りつつ、残念ながら今季限りでユニフォームを脱ぐことになった井上一樹監督について、綴っていきたい。
◆90周年イヤーは「借金21」でフィニッシュ
・9月25日(金):●4-5 東京ヤクルト
・9月26日(土):●3-5 東京ヤクルト
約10日前、神宮での2連戦は惜敗続きだった。第1戦はミゲル・サノーの2ランで先制するも、直後に金丸 夢斗が4失点とリードを吐き出してしまう。3回には村松 開人の適時三塁打などで同点に追いつくが、金丸が再び勝ち越し点を献上。シーズン12敗目(5勝)を喫してしまった。
翌日の第2戦は、この日昇格した森 駿太が4回にプロ1号となる3ランを放ち先制。ただ、直後に追いつかれると、9回裏に橋本 侑樹が山田 哲人にサヨナラ2ランを被弾。相手を上回る10安打を記録しながらも連敗となった。
・10月1日(木):●1-5 広島
・10月3日(土):◯3-1 東京ヤクルト
4日間空いて、マツダスタジアムでの一戦。先発・大野 雄大は4失点ながらも6回を投げ抜き、自身4年ぶりの規定投球回到達。主砲・細川 成也はキャリアハイを更新する25号本塁打を放ち、敗戦の中にも喜ばしい出来事があった。
シーズン最終戦は再び神宮球場に移動しての東京ヤクルト戦。なんとか勝利で飾ることができた。先発に指名された髙橋 宏斗は7回1失点の力投。打線は適時打こそ出なかったが、セーフティスクイズや犠飛でしぶとく得点を挙げた。
◆井上監督が辞任、後任に託したいことは
中日は今季の全143試合を消化し60勝81敗2分け、借金21でフィニッシュ。順位は未決定だが、5位以下になることは決まっている。昨季は借金15(63勝78敗2分け)のリーグ4位で終えており、負け越しの数も順位も下回ってしまった。
球団創設90周年のメモリアルイヤー、本拠地『バンテリンドームナゴヤ』に『ホームランウイング』が導入されるなど、開幕前は明るい話題も多かった。下馬評も悪くなく、14年ぶりのクライマックスシリーズ出場も非現実的な目標ではなかった。そんな中で芳しくない成績に陥ったことを深く受け止めなければならない。
9月29日、井上一樹監督が辞任を表明した。
辞任表明は突然のことで、選手や首脳陣にも驚きが広がった。辞任を決めた時期については「ここ最近」とし、関東で負けが込んだことにも言及しており、思うようにタクトを振るえなかったことや、ビジター席で声を枯らす竜党への心苦しさがうかがえた。
こうして振り返ると、計算していた主力のパフォーマンスが計算通りいかなかった。それも含めて首脳陣、指揮官の責任ということか。
井上氏が率いたのは2シーズンと短かったが、金丸を引き当ててド派手なガッツポーズを決めたり、キャンプで自らノックバットを握り選手とコミュニケーションを取ったり、明るいムードを演出することに腐心していた印象だ。
20代の若い野手を多くスタメンに登用し、満員の本拠地を揺らした場面も1度や2度ではない。チームスローガン「どらポジ」「ドラあげ⤴⤴」を体現していたように思う。
現政権で長年の低迷期を抜け出すことはできなかった。球団は次期監督の選考に着手し、同時にファームを中心とした改革も始めている。井上監督が遺した「レガシー」を活かしつつ、後任には今度こそ強豪チームへの脱皮を託したい。
そして井上監督、本当にお疲れさまでした。
文:加賀一輝/写真:産経新聞社
加賀 一輝
1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント
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