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野球 コラム 2026年10月5日

村上宗隆、「レッツゴー」に込める思い

MLBコラム by 山田 結軌
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バットを手に打撃練習に臨む村上

打った瞬間、確信していた。0-0の4回無死1塁。左腕パーカー・メシックの初球、93.4マイル(約150キロ)の内角シンカーを振り抜くと、バットを放り投げ、1塁ベンチへ叫んだ。ポーズを決めて走り出す。

打球速度112.2マイル(約181キロ)、飛距離440フィート(約134メートル)。ホワイトソックスの村上宗隆内野手(26)のポストシーズン1号の先制2ランは、そのまま決勝点になった。

ポストシーズン ディビジョンシリーズ

試合後、何と叫んだのか聞かれた村上は「いや、汚い言葉でした(笑)」と笑った。今季のクリーブランドでは8打数無安打、7三振。ガーディアンズ戦も打率.158(19打数3安打)と苦しんでいたが、地区シリーズ第1戦では1回に中前打、4回に本塁打。4打数2安打、2打点で3-0の勝利を導いた。

真っ赤に染まった敵地のスタンドにも動じなかった。

「こうなることは予想できていましたし、特に何にも感じなかった。ある程度イメージしながらやってきたので、普通に平常心でできました」

初めて迎えたメジャーの10月でも、気負いはなかった。村上はチームの強さを、個人の数字ではなく「信頼」で説明した。

「1人1人が、いろんな人から信頼されていると思っていますし、それに応えるだけの技量もある」

先発、中継ぎの役割を固定せず、必要な場面で必要な選手を送り込むホワイトソックス。今季は中継ぎ投手の投球回でメジャー最多を記録し、この日も継投で3安打零封。6回から4回無失点で締めたグラント・テーラー(24)も、村上について「英語がかなり上達した。いつも冗談を言っている。大きな存在感がある」と語った。

言葉の壁も、クラブハウスでは大きな障害になっていない。投手交代でマウンドに集まる際、村上が口にする言葉を聞けば、その距離感が分かる。

フリー打撃の合間、ボールケースに腰掛ける村上

「『レッツゴー』って言ってるだけ。英語、しゃべれないので(笑)。行こうぜ!って感じです」

難しい英語は必要ない。仲間と同じ方向を向いている。習得した単語と短い英文でも気持ちを伝え、仲間を鼓舞する。言葉の壁があっても、気持ちは1つだ。

3年連続100敗を経験したチームは今季84勝まで伸ばし、ワイルドカードシリーズから3連勝。村上は「シーズン最後1カ月はポストシーズンを意識して戦おうっていうのをチームの中で共有してました」と明かした。春季キャンプから受け入れてくれた仲間への感謝も変わらない。

第2戦の前日、4日(同5日)は、自主参加の練習日。村上は球場入りせず、休養に努めた。ポストシーズンを含め、村上が打点を挙げた48試合で、ホワイトソックスは31勝17敗。

複数打点を記録した19試合では15勝4敗と勝率はさらに上がり、3打点以上を挙げた9試合は9戦全勝。主砲の打点がチームの勝利を大きく左右することは、間違いない。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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