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7回裏、吉田正尚が2点本塁打
どこかでみたことあるような光景だった。起死回生の一発は、まるでデジャブ。
3月8日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、侍ジャパンのオーストラリア戦。吉田正尚(32、レッドソックス)は、1点を追う7回2死一塁でライトスタンドへ逆転のツーランを運んだ。
「重苦しい雰囲気でしたので…なんとか…よかったです」
お立ち台でのヒーローインタビューでは、安堵の第一声だった。吉田は、またも侍ジャパンを救った。2023年大会の準決勝、メキシコ戦。あのときも7回だった。2死一・二塁で同点3ランを右翼ポール際に運んだ。とりわけエキサイトすることもなく、控えめな喜び方もまた同じだった。
「タフなピッチャーが続いていましたので、なんとか自分のベストスイングをしようと思って、それが結果的にホームランになったので、本当に運が良くてよかったです」
2023年大会の吉田
3月7日の韓国戦でも5点目のソロを放っているため、2試合連発。侍ジャパン打線で安定した打撃内容で好調をキープしている1人であることは間違いない。
今大会のメンバー入りは、最後の1人として発表された。一昨年に右肩を手術し、昨季はメジャー復帰が7月まで遅れた。大会期間に負傷する懸念から、保険の審査が難航。侍ジャパン入りはレッドソックも了承し、代理人と選手会からもGOサインをもらっていた。
井端監督をはじめ、侍ジャパンの首脳陣も吉田のメンバー入りが確実と思っていた。しかし『保険の壁』で正式発表がギリギリになった。大谷がDHに入り、吉田の守備位置は左翼に固定される。外野編成の柔軟性をやや失うが、打線で欠かせない1人。準々決勝以降では、重要なポイントゲッターとして期待がかかる。
「本当にこういう国際大会は、厳しいゲームがたくさん続きますので、最後のゲームセットになるまで、みんな諦めてなかったと思いますので、勝てたことが一番だったと思います」
右肩が回復した昨年9月は月間打率.333、OPS.837をマークした。さらにポストシーズンでは、ヤンキースとのワイルドカードシリーズでは、7打数4安打(打率.571)と大舞台での勝負強さを発揮した。
侍ジャパン打線で頼りになる仕事人。吉田は、マイアミで伝説の続編を演じる。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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