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鈴木誠也、2本塁打
一塁ベースを蹴り、右腕をぶん回すようにガッツポーズした。まさかの3点ビハインド。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の韓国戦、1回1死2塁で鈴木誠也(31、カブス)が右中間へ2ランを放った。ライバルに先行された直後。劣勢でチーム全体の焦りを消し、勇気づける一発だった。
「負けている展開だったので、なんとか(したい)っていう思いで打席に入っていった。最高の結果になってよかったです。WBCなので相手も強いですし、こういう試合になるっていうのは想定していたので、何とかあそこでホームランが出たのはすごく良かったと思う」
さらにもう1本。3回1死、大谷翔平(31、ドジャース)が2試合連続本塁打を右中間に放ち、3-3の同点とした。2死後、誠也は左中間に一時、勝ち越しとなる2打席連続弾を運んだ。
「感触は良かったですし、打った瞬間(スタンドに)いったと思ったので、良かったです」
2023年の前回大会。カブスで2年目を迎えたアリゾナキャンプで左脇腹を痛めた。大谷と2人で搭乗予定だったチャーター機をキャンセル。悔しさと無念を胸に治療とリハビリに励んだ。今大会は、調整を急がず、じっくりと自分のペースで進めた。さらに時差調整のため、犠牲を払った。
アリゾナでオープン戦に出場した鈴木
「時差ボケが僕は激しく食らうので、もう少し(帰国の日程を)遅らせようかなというのも考えたんですけど、それよりも体調。前回(2025年)の東京シリーズの時も結構(スケジュールが)カツカツだと、どうしても体調的にしんどかったという部分もありましたし、体重が落ちたのもあるので、それも加味してちょっと早めにいって(調整を)やろうかなとは思っている
アリゾナを2月23日に出発。村上宗隆(26、ホワイトソックス)や岡本和真(29、ブルージェイズ)が、2月下旬までキャンプ地に残り、オープン戦で実戦打席を重ねる中、鈴木は実戦の積み重ねよりも時差調整を優先した。
昨季の開幕戦。ドジャースとの東京シリーズでは過密なスケジュールで体重は2キロほど落ちたという。自分のペースで大会開幕まで準備を進めたことが、好結果につながっている。
5-5の7回2死満塁では、制球の定まらない投手に対して、冷静に四球を選んだ。押し出しで勝ち越し点をもたらすと、右拳を小さく握って一塁へ歩いた。
「1本ホームランも出て、ホッとしたのもあります。(前回大会では)悔しさもあるので気合いを入れて、これからの試合も頑張りたいなと思います」
同い年で公私ともに仲のいい大谷は、盟友の活躍をたたえた。
「本当に『雑み』がなく、いいアットバット(打席)というか。冷静にフォアボールを選んだ場面も(状況が)難しかったと思いますが、しっかりと自分のゾーンを保ちながら、いい打席だったなと見ていました」
WBC初参加だったプロ入り5年目の2017年は、代表でのレギュラーをつかめなかった。2023年大会は負傷で辞退。2019年プレミア12、2021年東京五輪の金メダルはある。WBCの頂点へ、誠也は長年の思いを胸に打線を引っ張る。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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