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野球 コラム 2026年3月7日

大谷翔平、初球攻撃にみたメッセージ

MLBコラム by 山田 結軌
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1回、二塁打を放つ大谷翔平

迷わずにフルスイングした。日本代表、侍ジャパンのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕戦。

3月6日、チャイニーズ・タイペイ戦の1回先頭打者。「1番・DH」に入った大谷翔平(31、ドジャース)は先発右腕、ジェン・ハオジュン投手の1球目、真ん中付近の92マイル(148キロ)の直球を捉えた。打球は右翼線へのライナー。打球初速117.1マイル(188キロ)の超速弾道だった。

「初戦なので、みんな(緊張で)かたくなる。しっかりとアグレッシブにいい球を打ちたいと思っていたところで、たまたま初球、いいところ(甘いコース)に来て、ヒットにできてよかった」

無死2塁。先取点の絶好機を作った。結果的に初回は無得点に終わるが、チーム全体に『いける』という前向きな空気をもたらしたことは間違いない。

好球必打とはいうものの、1球目を打ってアウトになったら…という心理は一流のプロ野球選手でも抱いてしまうもの。

思い返せば、2023年大会。準決勝のメキシコ戦では、1点を追う9回の先頭が大谷だった。そのときも初球をスイングして、右中間へ二塁打を放った。三塁側のベンチに向かって吠え、両手を下から振り上げて鼓舞するシーンは侍ジャパンの優勝を象徴するワンシーンだった。

その後、吉田正尚の四球で1・2塁とし、その試合で3三振を喫していた村上宗隆が、センターオーバーのサヨナラ2点二塁打で劇的なサヨナラ勝利を決めた。劣勢の展開で勇気が必要な初球打ち。

大谷は追い込まれるような局面でも攻撃的にスイング。チームメートを勇気づけ、勝つ意思を強烈に示した。その積極的な姿勢は、投手をせず打者に専念する今大会でも貫いている。

2回1死満塁では、右翼スタンドに満塁ホームラン。紛れも無い主役を演じた。

「打った瞬間、(本塁打に)入るとは思った。とにかく先制点がどうしても取りたいなという気持ちで外野フライでもいいので、まずは1点取りたかった」

最高の結果で、4-0とリードを奪った。押せ押せの空気を作り出し、大会新記録となる1イニング10得点のビッグイニング。

早めに勝負の大勢を決め、7回には代打・佐藤輝明を送られ退いた。大量リードを奪えたことでベンチスターとのメンバー複数人が1打席や、限られたイニングでもWBCのフィールドに立てたことは、2試合目以降にプラスだ。

「厳しい戦いが続くと思いますけど、ファンの人と、チーム一丸となって、球場全体で盛り上げていただければ励みになるので、よろしくお願いします」

大勝にも、気持ちを引き締めて次に向かう。7日の韓国戦に勝利すれば、フロリダ州マイアミで行われる準々決勝進出へ、大きく前進する。打てる、と判断した投球ならフルスイングする。

日韓戦は、長年のライバル対決。緊張感が高まる1回先頭、大谷は初球を狙っているはずだ。超攻撃的なスイングは、仲間たちを積極メンタルに導くメッセージでもある。

文:山田結軌(MLBジャーナリスト)/写真:産経新聞社

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
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