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一軍定着を目指す益田武尚
「横一線」と強調された春季キャンプが打ち上げられた。
今年は日南一次キャンプスタート時点で、昨年の46人から39人に絞り込まれていた。投手陣も昨年の23人から20人へと絞られた。少数精鋭ともいえる中で、昨年末の契約更改で減俸提示を受けながら一軍スタートとなった投手は、益田武尚ただ1人だった。
益田は東京ガスから入団し、今年で4年目を迎える。昨季までの3年間では22試合登板にとどまり、即戦力と期待された投手としては物足りない数字だ。それでも昨季終了後に宮崎県内で行われた若手中心のフェニックスリーグに投手最年長として参加し、モデルチェンジを図った。
これまでのようにきれいな縦回転のフォーシームを中心に力で押すのではなく、打者の手元で動くツーシーム主体の投球に挑戦した。理想を捨てて、現実路線に舵を切った。
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「理想はパワーピッチャーだけど、それで3年間、通用していない。せっかく腕を下げたのに、自分の理想ばかりを追い求めても損をするだけ。自分がこの世界で生きる道を考えたら、ゴロアウトを増やして、ゲッツーを取って、ピンチの場面で行ける投手になるんだと、吹っ切れました」
当初は戸惑いや不安もあったが、停滞感を打ち破るために覚悟した。若手中心とはいえ、フェニックスリーグでは登板全試合で無失点に抑えた。結果が出たことで自信につながった。
三振を奪うのではなく、ゴロアウトを重ねる投手への変貌を目指した秋季キャンプで高い評価を受け、今キャンプでもツーシームに磨きをかけた。これまでなら自分が納得した球をいかに投げられるかという「主観」を重視していたが、今年は捕手やコーチらの目線という「客観」からアプローチしてきた。これまで苦しんだ一因にもなった〝完璧主義〟から脱却する上でも新スタイルはプラスに働いている。
キャンプ中に行われた練習試合では、ただ1人、3試合に登板した。イニング途中でも起用された。「パワーピッチャー」から「ゴロアウトピッチャー」となり、起用の幅を広げた。22日の日本ハムとのオープン戦では2回を任された。無失点に抑えただけでなく、6アウトのうちゴロアウトが4個と新たな持ち味を発揮した。
広島ブルペン陣は昨季から先発に転向する投手が数人いるだけに、その穴を埋める必要がある。益田が他の投手にはない特色を示せれば、チームに必要不可欠なピースになれる。キャンプを終え、開幕一軍争いは激しさを増す。一軍定着を目指す右腕にとって、開幕一軍はあくまで通過点でなければならない。
文:前原淳
前原淳
カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun
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