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メジャー2年目はロッキーズで投げる菅野
メジャーリーグは、チームによっては投手組がキャンプインした。去就が注目されていた菅野智之投手(36)=オリオールズからFA=の新天地がついに決定した。
ナ・リーグ西地区に所属するコロラド・ロッキーズだ。契約は1年510万ドル(約7億9000万円)。メジャー2年目のシーズンをデンバーの地で迎えることになる。
昨季、オリオールズで10勝10敗、防御率4.64の成績を残した36歳のベテラン右腕が選んだのは、投手にとって最も過酷とされる環境だ。ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは標高約1600メートル(1マイル)に位置し、気圧の低さから空気抵抗が少ない。
打球が飛びやすく、変化球の曲がり幅も小さくなるため、「打者天国」の異名を持つ。防御率が跳ね上がることも珍しくないこの球場が新天地になることは、評価を上げるマウンドになり得る。
一見すると投手は敬遠するチームだが、投手不利な環境は逆に言えば、自身のアピールには絶好の舞台となる。もし、打者有利の球場で安定した投球を続け、平均以上の成績を残すことができれば、その評価は平地の球場での好成績以上に高まるはずだ。
36歳という年齢を考えれば、今季の活躍は来季2027年の契約条件に直結する。あえて厳しい環境に身を置き、適応能力と技術の高さを証明することで自身の市場価値を最大化することが可能だ。
オリオールズ時代の菅野
また、ロッキーズというチームの現状も菅野のモチベーションになり得る。昨季43勝119敗と大きく負け越し、現在は完全な再建期間にある。ポストシーズン進出の可能性は低いが、これは菅野にとって別の目標を生む。
7月のトレード期限までに先発ローテーションを守り、好成績を残していれば、プレーオフを争う強豪チームから補強のターゲットとして名前が挙がる可能性が高いからだ。シーズン後半に強豪へ移籍し、ワールドシリーズ制覇のチャンスをつかむ。近年、ベテラン投手がたどる成功パターンのひとつだ。
再建中のロッキーズであれば、そのシナリオはより現実味を帯びる。まずは開幕からローテーションの柱として結果を出し、自身の価値を高めることが、その後のキャリアを切り拓く鍵となる。昨季、負傷離脱なく投げ抜いた右腕の健康状態はすでに信頼がある。
さらに、所属するナ・リーグ西地区は、ワールドシリーズ連覇中のドジャースが君臨する激戦区だ。大谷翔平や山本由伸らを擁する世界一のチームと対戦する機会は多く、ここで強豪相手に好投できれば、実力を全米に示す格好のショーケースとなる。同地区のライバルたちを抑え込むことは、単なる1勝以上の意味を持つ。
昨季はア・リーグ東地区という強打者が揃う環境で1年目から2桁勝利を挙げた。その適応力はすでに証明済みだ。今季はさらにタフな環境での登板となるが、熟練の投球術を持つベテラン右腕ならば、この逆境さえも味方につけるかもしれない。
クアーズ・フィールドの薄い空気を切り裂き、どのような投球を演じるのか。自身の価値を証明し、さらなる高みを目指すための挑戦が再び始まる。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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