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野球 コラム 2025年12月29日

今井達也、岡本和真らの交渉期限迫る

MLBコラム by 山田 結軌
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ポスティング交渉期限が迫る岡本(2023年3月撮影)

2025年もあと数日。メジャーリーグ(MLB)のフリーエージェント(FA)市場は、依然として停滞ムードに包まれている。

その中で、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す2人の日本人選手、今井達也投手(西武)と岡本和真選手(巨人)の交渉期限も迫っている。

今井は米国東部時間の1月2日午後5時(日本時間3日午前7時)、岡本は同1月4日午後5時(日本時間5日午前7時)がリミットだ。例年であれば、クリスマス休暇前にある程度の大勢が決するケースも多いが、今オフは市場全体の動きが極めて鈍い。

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その象徴が、いまだに行き先が決まっていない大物FA選手たちの存在だ。カブスからFAとなったカイル・タッカー、アレックス・ブレグマン(レッドソックスからFA)、ボー・ビシェット(ブルージェイズFA)ら市場の目玉となる選手たちが、年の瀬を迎えてもなお契約に至っていない。

各球団がぜいたく税の回避や長期契約のリスクを慎重に見極める姿勢が、市場全体の流動性を著しく低下させている。そして、各球団はトレード交渉も並行しているため、市場が劇的に動くまで時間がかかっている。この凍りついた市場の影響は、ポスティング組の交渉にも少なからず影を落としている可能性がある。

今井は、米メディアによるとヤンキースやカブスなどが興味を示していると報じられたが、ここへきて情報は錯綜している。代理人を務めるスコット・ボラス氏の手腕に注目が集まり、交渉期限ギリギリまで粘って好条件を引き出そうとしているのかもしれない。

ウインターミーティングでボラス氏は、「先発の1番手を任せられる能力がある。どのチームも先発1~3番手を任せられるとみなしている」と、高評価を得ていることを明かしていた。交渉期限まで残り1週間を切り、水面下での交渉が続いていると思われる。

ウインターミーティングで今井と岡本について質問を受けるボラス氏

一方、今井と同じくボラス氏が代理人を務める岡本は、交渉期限が今井より2日遅い。すでにホワイトソックスと契約合意した村上宗隆と比較されることも多いが、右の長距離砲としての需要は確実に存在する。

ボラス氏によれば岡本は「多くの球団が三塁手として評価している」と明かした。同じく顧客に抱える三塁手、ブレグマンの動向も影響している。特に今オフは野手の市場が停滞しているだけに、期限直前で複数球団が正式なオファーを提示する可能性は十分にある。

さらにポスティング組では高橋光成(西武)の交渉期限も米東部時間1月4日午後5時(日本時間午前7時)に迫る。海外FA権を行使した則本昂大(楽天)もメジャー契約に絞って、移籍を目指している。

市場が活況となり、玉突き的に契約が決まっていくことを米球界では「ドミノ」と表現する。だが、今オフは上位の選手が埋まらないために、中堅クラスやポスティング組の交渉にも「ドミノ」が起こらない。

日本選手のポスティング期限までカウントダウンに入った。各選手が納得する契約を願っている。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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