人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

野球 コラム 2025年12月28日

菊池雄星、初選出の侍ジャパンでの期待

MLBコラム by 山田 結軌
  • Line

オープン戦で登板する菊池

満を持してついに日の丸を背負う。エンゼルスの左腕、菊池雄星投手(34)が、2026年3月に開催される第6回ワールドベースボールクラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」に初選出された。

メジャーで7年を過ごすベテランとして、単なるローテーション投手の1人ばかりではなく、さまざまな役割が期待される。

メジャーリーグ中継2025 ベストゲーム

「日本代表としてWBCに出場できることを大変うれしく思います。チームでは年齢的にも上の立場になると思いますが、自分に求められている役割をしっかりと全うし、日本の勝利のために全力で腕を振ります」

日本代表の公式サイトでは、自身の立場を自覚するコメント。最終的なメンバー発表は1月中旬見込みだが、おそらく菊池が投手陣の最年長となる見込みだ。アニキ分として、若いメンバーを支える。ピッチクロックの対策、データ分析の方法など、『先生役』としての役割も託される。

日本代表では、投手陣のリーダーとして、そして先発左腕としてのゲームメーク能力。メジャーで先発ローテを張ってきた実績は、井端監督ら首脳陣から大きな期待がかかる。

意外にも、雄星はこれまでプロ入り後、日本代表に縁がなかった。才能がありながら、自身のキャリアの追求とメジャーでの立ち位置をつかむために、走り続けてきた。来季は、条件が整う。

エンゼルスとは3年契約の2年目。ベテランは、チームから調整を任される信頼がある。米球界での経験値の豊富さ、データを解析し、試合で運用する頭脳がある。野球人生で4年後の大会で選出されるか、分からない。日米のプロキャリア17年目のシーズンで初めてJAPANのユニホームを着る。

エンゼルスタジアムで練習を引き上げる菊池

海を渡ってからの7年間は、決して順風満帆ではなかった。しかし、その試行錯誤こそが菊池をたくましく成長させた。

準々決勝以降で対戦が予想される米国代表やドミニカ共和国など、パワーヒッターを揃える各代表に対し、力勝負で対抗できる左腕は貴重な存在だ。登板間ルーティーンなど準備の姿勢、マウンドでの振る舞いそのものが、次世代の日本球界を背負う投手たちへ財産をもたらすはずだ。

日本の野球ファンにとっても、待望の帰還だ。母国での投球はメジャー移籍後、2019年の開幕第2戦で東京ドームで先発して以来だ。

「久しぶりに日本のファンの皆さんの前でプレーできることを楽しみに、万全の準備をして大会に臨みます」

オフは、自身が私財を投じて地元の岩手に建設した「K.O.H」で自主トレに励んでいる。初めてWBCに参加するモチベーションがハイペース調整を進める。自分のため、若手選手のため、そして日本のために。ベテラン左腕は、己の力を尽くして貢献する。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ