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野球 コラム 2025年12月27日

松井裕樹、3大会連続のWBCで果たす責任と役割

MLBコラム by 山田 結軌
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キャッチボールをする松井

来年3月に開催される『第6回ワールドベースボールクラシック』日本代表メンバーの一部が12月26日、先行発表された。唯一出場を表明しているドジャースの大谷翔平(31)に加え、エンゼルスの菊池雄星(34)、パドレスの松井裕樹(30)ら8人が選出された。

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松井は2017年、2023年に続く3大会連続の選出だ。ダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(ドジャース)らが名を連ねてきた歴史ある大会で、3度続けて呼ばれる選手は多くない。投手での3大会連続は杉内俊哉(第1~3回)に次ぐ、日本投手史上2人目だ。左腕救援として積み重ねてきた実績と信頼が、井端弘和監督ら首脳陣に評価された。

「侍ジャパンに選出していただいたこと、光栄に思います。大会ではチームの優勝のためにいつでもどこでも投げるつもりで準備したいと思っています」

侍ジャパン公式サイトでは、短く決意のコメントを発表。この「いつでもどこでも」の言葉には過去2シーズン、パドレスで培った経験で貢献する意気込みが表現されている。

同時に開幕後を見据え、パドレス首脳陣へのアピールも狙う。対左打者対策、回またぎなど与えられた任務を受け止める姿勢は、僅差の終盤で信頼を得る最短路だ。国際大会の短期決戦で好投を続ければ、球団首脳陣の評価につながる。

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メジャー移籍2年目の今季は比較的、点差のついた場面が松井の持ち場だった。もう一度、勝利パターンの継投で投げる役割をつかみたい。一流スラッガーを揃える各代表を封じることができれば、絶好のアピールになることは間違いない。

WBCの緊張感はポストシーズンに近い。3月の早い時期に実戦強度を引き上げ、『本気モード』の強打者と対戦できる機会は、例年なら経験できない貴重なマウンドだ。国を背負い、一戦必勝の重圧で四球を減らし、1点を許さない投球を積み上げる経験は、レギュラーシーズンでの重要場面のシミュレーションにもなる。

練習を引き上げる松井

また、3大会連続出場の経験は、代表内での財産になる。初選出の若手やNPB組に国際大会の空気、調整のノウハウを伝える役回りも担える。戦術面でも、左の強打者が並ぶ相手への切り札、延長戦のタイブレークを見据えた起用、終盤を任される展開まで幅広い。

起用が読めない国際大会で計算できる経験と実績のあるリリーフ左腕がいることは、ブルペン全体の安心につながる。選出されれば宮城大弥(オリックス)は中継ぎでの起用も見込まれるが、リリーフ専門の左腕が不足する事情も、松井の役割と責任を大きくするだろう。

松井は世界一を目指す熱戦を経て、メジャーの長いシーズンへの挑戦に戻る。負担は伴うが、得られる自信と評価は大きい。3度連続で選ばれた責任を力に変えられるか。背番号「1」の左腕は、代表の勝利とサンディエゴでの存在感を同時に押し上げる期待がかかる。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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