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野球 コラム 2025年12月10日

WBCへMLB組の出場可否は思わぬ停滞

MLBコラム by 山田 結軌
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会見で日本メディアに答える井端監督

一気に動くと期待されたワールドベースボールクラシック(WBC)へのメンバー選考は、思わぬ停滞を強いられている。

フロリダ州オーランドで開かれているウインターミーティングでは、各球団の補強が連日話題になっている。その一方で、侍ジャパンの井端弘和監督にとって最大のミッションは、侍ジャパンにどれだけMLB選手を呼び込めるか。日本代表の核になるはずの選手たちの参加可否は、今もはっきりしないままだ。12月9日(日本時間10日)、ウインターミーティング会場でWBCの代表監督の会見が行われた。

メジャーリーグ中継2025 ベストゲーム

井端監督が現時点で「出場が決まっている」と言い切れるMLB所属選手は、大谷翔平だけだ。合流時期を「3月2・3日の大阪での強化試合までに合流してほしい」と明かした。投手としての出場を含む二刀流の可否は、今後ドジャースと調整する。

米国代表のデローサ監督

カブスの今永昇太や鈴木誠也ら、他の日本人メジャーリーガーは、球団からの正式な返答待ちが続く。井端監督は「主催者や球団からの返事待ち。せめて年内には返事が来てくれると助かる」と漏らした。

国内組のメンバー編成を進め、各選手が調整期間を設けるために、1日も早く決定をしたい。しかし、プロセスは進まない。井端監督ら、侍ジャパンスタッフ一行は2泊4日の強行スケジュール。悩ましい米国出張となった。

ポスティングでメジャー移籍を目指す村上宗隆や岡本和真、今井達也らの選手は、移籍先の球団と契約を結んでからでなければ、出場条件の細部を詰められない。市場評価が高いほど、大会中に負傷した場合の保険や起用法を巡る交渉は難しくなり、日本代表側が想定するメンバーがそろえられるか、今だに不確定要素が多い。

ドミニカ共和国で監督を務めるプホルス氏

それでも井端監督は、起用のシミュレーションを進めている。投手起用については「長いイニングを投げてもらうつもりは全くない」と強調。先発として投げられる投手を複数そろえ、短いイニングを数人でリレーして7回か8回までつなぎ、終盤は1イニングを任せられるリリーフ投手で締める。登板間隔や球数も、MLB球団からの指示を受けながら柔軟に対応するつもりだ。

二刀流の大谷の扱いは、さらに繊細になる。指揮官も慎重に起用法を探る。
「まずは本人の意向を尊重したいし、ドジャースとも話をしなければいけない」

開幕から先発ローテーションを担う前提を踏まえ、3週間の大会期間中にどれだけ投げて、MLBのレギュラーシーズンに備えればいいのか。DHのみの出場、投手もできる場合など、複数の出場パターンをイメージしている。

侍ジャパンの戦力像は、メジャー選手の参加の有無で大きく変わる。エンゼルスの菊池雄星らの参加表明も待たれる。米国代表、ドミニカ共和国代表など世界の強豪は、大物選手を集め、打倒日本への包囲網を敷いている。世界一連覇のため、侍ジャパンは最強メンバー招集にベストを尽くす。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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