私が感じた2025年オリックス・バファローズの変化と覚悟

釣り竿を使った練習でお手本を見せる岸田監督(石原さん撮影)

オリックスファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今シーズンもたくさん楽しませてもらったなぁとロスに浸っているうちに、早いもので高知秋季キャンプも終わってしまいました。朝から夕方まで練習する選手の姿に、オフの方がオンなのか？とすら思ってしまっています。

私が行った日には、昼下がりのサブグラウンドで佐藤一磨投手が先端にオレンジ色のボールを付けた釣り竿を振り、それを監督コーチ陣が揃って見守るという珍しい光景が。
上手く体が使えていないと真っ直ぐ飛ばないとか、そういうことでしょうか。
勢いが良すぎて糸が切れて飛んでいってしまったボールを探したり、絡まった糸をほどいてあげたりする平野佳寿投手兼コーチの微笑ましい姿も見られてラッキーでした。
メイングラウンド、サブグラウンド、ブルペンと、見たい所が多すぎてあともう1つ、いや2つ体がほしいと芯から願う高知秋季キャンプ。J SPORTSさん、ぜひ、高知も、中継を、、、（懇願）

釣り竿練習をする佐藤一磨投手(石原さん撮影)

釣り竿練習を見守る、左から比嘉コーチ／平野投手兼任コーチ／岸田監督／厚澤コーチ（石原さん撮影）

さて、2025年のオリックス・バファローズを私なりに振り返ってみたいと思います。
先日NPBから「慶弔休暇特例」が来シーズンから導入されることが発表されましたが、その制度がまだない中で、ご家族のためのお休みやローテ変更の考慮などが何度も実施されていて「今年はより一層選手一人一人のことを大切にしながらチームとして上を目指すと決めたんだな、凄いな」といろんな所で感じたシーズンでした。

それは、終盤にかけて大車輪の活躍を見せてくれた中継ぎ投手陣の試合中の動きの変化にも。
昨年までは継投に入りそうになると、2人の投手がほぼ同時に肩を作ってどちらかが出ていく、というのがブルペンでよく見る光景でそれが当たり前だと思っていましたが、今年は同時に2人がレーンに立つことが圧倒的に少なく、準備の様子や、肩を作り始めるタイミングも少し変わっているようです。
誤解を恐れずに言うと、ほっともっとフィールド神戸でブルペンシートに座った時の満足度が少し減ったと感じてしまいそうなほどですが、見えない苦労を想像して観察するような気持ちで見るのが新たな楽しみとなりました。あまりに誰も投げないのでファンサービスだったのでしょうか。マチャド投手が投げ始めたのを比嘉コーチが「ダメダメ」と止めるようなジェスチャーをしている姿も。
なるべく無駄に肩を消耗することのないように最大限考え抜かれたブルペンの運用をされていたのではないかなと思います。
それを維持するために監督とコーチ陣は、その日の個人の調子を見極め、昨年まで以上に試合展開と継投を予め何パターンも考えて、会議して、それを毎日毎日繰り返しているんやろうな、大変な作業やな。。。私達ファンは継投策にすぐあれこれ言いたくなりますが、そこまで想像するともう、、、何も言えねえっす。

岩嵜翔投手の加入と貢献、投手一人一人の努力と、このブルペン運用が相まって、終盤には疲れてくるどころか、不測の事態で発生した週に2度のブルペンデーも乗り越えて頼もしい活躍を見せてくれた中継ぎ投手陣。痺れました！

「チームの向上と選手個人をより一層大切にすることの両立」実はとてつもなく難しい挑戦をされていたであろう岸田護監督の1年目。
なので、昨年よりも順位を上げてリーグ3位という結果で終われたことが、ファンとして誇らしく、悔しいよりもAクラスで良かったという気持ちの方が大きいのです。
とは言え、来シーズンは更に上を目指して、リーグ優勝、そして日本一！
思いっきり笑顔はじける岸田監督を野球中継のテレビ画面ドアップで見られることを祈っています。

ほっともっとフィールド神戸で花火を見るプルペン陣。プルペンシートに座っていると、まるで選手と一緒に花火を見ているような嬉しい気持ちになれます（石原さん撮影）

文：チキチキジョニー 石原祐美子