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岡林勇希(ドラゴンズ)
9月もあっという間に後半に入った。相変わらず残暑は厳しく物価は高くなるばかりだが、プロ野球界は確実に秋が訪れている。井上一樹監督率いる中日ドラゴンズは、終盤に入りタフな試合を続ける。選手たちは閉幕に向けて日々ムチを打っていることだろう。
本稿では9月中旬の振り返りと個人タイトル争いについて、綴っていきたい。
◆ビジター7連戦を含め、なかなか勝てず
まずは9月中旬の振り返りから。9月9日から神宮、広島、甲子園でビジター7連戦、バンテリンドームナゴヤに戻ってから横浜DeNAとの2連戦を消化している。
・9月09日(火):●2-3 東京ヤクルト
・9月10日(水):◯6-3 東京ヤクルト
・9月11日(木):●5-6 東京ヤクルト
神宮3連戦の初戦は松木平優太が今季初登板初先発。3回まで2安打無失点、3奪三振と好投も、手のひらのマメが潰れるアクシデントで緊急降板。後を受けた吉田聖弥が3イニング目に痛恨の逆転打を喰らった。打線は田中幹也が4打数4安打の大当たりを見せるも、活かしきれなかった。
2戦目は金丸夢斗が先発。村上宗隆に2ランを打たれる以外は得点を与えず、6回2失点で試合をつくり、プロ2勝目をマーク。ビジターでは初勝利となった。打線では岡林勇希が先制2ラン含む2安打4打点の大暴れ。田中もダメ押し打で連夜の活躍を見せた。
3戦目は初回に2点を先制。幸先の良いスタートを切るも、先発・涌井秀章がホセ・オスナに満塁弾を浴びるなど、5回途中6失点の乱調。打線は8回に山本泰寛、加藤匠馬の適時打などで1点差に迫るも、反撃はここまでだった。
・9月12日(金):●0-9 広島
・9月13日(土):●0-5 広島
移動日なしで広島へ移り、金・土で2連戦に臨むも投打に良いところなく連敗を喫した。金曜は柳裕也が4回6失点で試合をつくれず、打線は9安打を放つも無得点。土曜は高橋宏斗が中盤に手痛い一打を喰らい、打線は連日の無得点で終えた。
・9月14日(日):◯1-0 阪神
・9月15日(月):●2-6 阪神
甲子園に移しての阪神2連戦は1勝1敗だった。初戦は大野雄大が先発。相手先発の才木浩人とがっぷり四つの投げ合いを展開し、6回まで両軍無得点で進む。
均衡が破れたのは7回、ジェイソン・ボスラーの二塁打と内野ゴロで1死三塁の好機をつくると、石伊雄太が一二塁間を破るタイムリーを放つ。大野は8回まで投げて、4安打無失点の快投。見事10勝目を手にして、5年ぶりの2桁勝利に到達。松山晋也は41セーブ目を挙げた。
2戦目は相手の4番・佐藤輝明に2本塁打5打点といいように打たれ、終始リードを奪われる展開だった。
・9月17日(水):●0-1 横浜DeNA
・9月18日(木):●4-7 横浜DeNA
1日空いて本拠地に戻り、苦手とする横浜DeNAの2連戦。残念ながら連敗となってしまった。
初戦は金丸が相手エース・東克樹と互角の投げ合い。決勝点は7回の東のスクイズによるもので、改めて「越えるべき壁」と認識させられる一戦だった。
2戦目は上林誠知とボスラーの適時打で一時逆転するも、先発の涌井が筒香嘉智に3ランを浴びるなどして逆転を許す。この試合が横浜DeNAとの最終戦だったが、8勝17敗と大きく負け越してフィニッシュした。
中日はシーズン全体で134試合を終えて、58勝74敗2分け。4位・広島と1.5ゲーム差の5位に位置する。残りは9試合。1試合でも多くの勝ち試合を見せてもらいたい。
◆個人タイトルに絡みそうな選手は?
ここからは個人タイトル争いについてまとめてみたい。打者部門で可能性を持つのが、岡林と上林だ。
岡林は3年ぶり2度目の最多安打に向けてスパートをかけており、9月18日終了時で積み上げた安打数は150本。トップの小園海斗(広島)と6本差の2位タイ(※阪神・近本光司と同数)につけている。小園が有利とはいえ、広島も中日も残り9試合。岡林が得意の固め打ちを見せれば逆転可能な数字だ。
また、岡林はリーグトップの三塁打数(8本)を誇る。こちらも3年ぶり2度目のシーズン最多が見えている。
上林は盗塁数がキャリアハイの27個で、トップの近本と4個差の2位。近々はともに欠場する機会が増えており、なかなか数字が伸びないが、なんとか上林には身体にムチ打って最後までタイトルの可能性を示したい。
投手陣では、なんと言っても松山のセーブ王だ。昨季までのチームメイト、ライデル・マルティネス(巨人)と熾烈な争いを繰り広げており、現状はマルティネスが1個リード(42セーブ)。
巨人も中日も残り9試合なので、ここからはいかに勝ち試合、かつ僅差リードで2人に渡せるかの勝負になる。互いに意識し合っている様子も伺え、ここは松山にぜひタイトルを取ってもらいたい。
そして実は、高橋宏斗に奪三振王の可能性が浮上している。現状の122個はリーグ2位タイ(※巨人・山崎伊織と同数)で、トップの村上頌樹(阪神)とは10個差。村上はローテ的に先発機会はあと1回と見られ、おそらく2回を残す高橋宏が追いつき追い越す可能性はある。
今季は2桁奪三振が、1度だけと無双ぶりを見せられなかったが、最終盤に好パフォーマンスを示せば逆転タイトルがあるかもしれない。
◆19日からは連日のセレモニー
19日からは連日のセレモニーが控える。19日が中田翔の引退セレモニー、20日は祖父江大輔と岡田俊哉の引退セレモニーが行われ、21日はホーム最終戦セレモニーが予定されている。
引退する3選手はすでに二軍の舞台で最終出場を終えており(15日の阪神戦)、今週末が本当の「ラストダンス」。おそらく満員に膨れ上がる本拠地でどんな姿を見せてくれるのか、寂しいけれど楽しみでもある。プレーはもちろん、スピーチもだ。
そして、ホーム最終戦セレモニーは例年通りなら監督が挨拶を行う。井上監督が1年目のシーズンを終えようとする今、どんな言葉をファンに語りかけるのか。興味深いところである。
文:加賀一輝
加賀 一輝
1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント
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