【広島好き】カープ、クライマックスシリーズ出場を争う終盤戦。そこで近年の9月の成績を調べてみた

広島東洋カープ

8月を終了して53勝61敗5分、借金8の成績は、例年ならばクライマックスシリーズ（CS）進出は微妙な状況のはずですが、今季は首位の阪神を除く5チームが勝率5割に満たないというある意味、異常なシーズンで、3位の横浜DeNAとは1ゲーム差、2位の巨人とも2.5ゲーム差の4位と、まだまだAクラスも十分に狙える位置にいます。

逆に言えば、5位中日との差は0.5ゲーム差と、最終的な順位が予測できない状況となっていますが、2日からは昨季、歴史的失速となった9月の戦いがスタートします。昨季の惨状からマイナスのイメージが強くなっていますが、9月は本当にカープにとって鬼門なのか。近年の成績を調べてみました。

コロナ禍の真っ只中だった2020年は、26試合で9勝15敗2分でしたが、6月開幕でレギュラーシーズン終了が11月中旬までずれ込んでおり、参考外と言えるでしょう。

佐々岡真司監督の2年目、最終順位が4位に終わった2021年の9月成績は、25試合で13勝11敗1分と勝ち越しています。同月に打者でもっとも成績の良かった選手は、レギュラーでは鈴木誠也で25試合に出場して打率.381、13本塁打、22打点。控え選手では松山竜平が16試合（30打席）で打率.423、安部友裕が20試合（19打席）で打率.429をマークしています。

この年もレギュラーシーズン最終戦が11月までずれ込む日程となりましたが、10月も20試合で12勝7敗1分と好成績を残しています。

2022年の9月成績は19試合で10勝9敗。もっとも成績は良かった選手は、西川龍馬で19試合全てにスタメン出場して打率.397、1本塁打、10打点。この年は菊池涼介が15試合で打率.317、野間峻祥が17試合で打率.306、坂倉将吾が19試合で打率.301、小園海斗が18試合で打率.302と、レギュラークラスの選手が軒並み打率3割台をマーク。

準レギュラー選手でも、上本崇司が12試合に出場して打率.342と活躍しましたが、チームの最終順位は5位に終わり、佐々岡監督はこの年限りで退団となっています。

新井貴浩監督1年目となった2023年は、レギュラーシーズンで2位に入り、リーグ3連覇を果たした2018年以来となるCS進出を果たしましたが、9月は22試合で9勝13敗と負け越しています。

この年は開幕した3・4月から8月まで全ての月で勝率5割以上をマークしていましたが、結果的に見れば尻すぼみのシーズンとなってしまいました。この年、9月の月間成績が一番良かったのが小園で22試合に出場して打率.348、1本塁打、7打点をマーク。坂倉も16試合の出場でしたが、打率.310とハイアベレージを記録しています。

そして、歴史的失速と言われた昨季の9月成績は25試合で5勝20敗、勝率は2割ちょうどと惨憺たるものでした。

ただ、個人成績を見ると、秋山翔吾の全25試合出場で打率.318を筆頭に、矢野雅哉が同じく25試合で打率.304、坂倉も25試合で打率.302、小園も25試合で打率.296とレギュラー選手は数字を残しています。失速の要因となったのは投手陣の崩壊で、開幕から8月まで2点台をキープしていた防御率が、9月は4.29と大幅に崩れてしまいました。

チームの投打別9月成績を見ると、2021年の9月チーム打率（以下同）が.272で、同月のチーム防御率（以下同）が3.79。2022年は打率.280で防御率3.64。2023年は打率.250で防御率3.52ということで、昨季も打率.241と全体的には低く、さらに投手陣の崩壊が顕著だったことがわかります。

現在のカープには、鈴木誠也や西川龍馬のような確固たる主軸と言える選手はいませんが、近年の成績を見ると、今季は首位打者も狙える位置にいる小園や、8月最後の東京ヤクルトとの3連戦で3戦連続打点をマークするなど、調子を上げてきている坂倉と、これから主軸になるべく選手の活躍が見込めそうです。

さらに2人以外では、チーム随一の豊富な経験を誇る秋山や、昨季の同時期に高打率をマークした矢野の復活にも期待したいところです。

文：大久保泰伸