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野球 コラム 2025年8月27日

プロ注目、東京ドームを沸かせるドラフト候補の4選手。都市対抗野球大会

野球好きコラム by 大島 和人
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都市対抗に出場するプロ注目の4選手

「投手編」に続き、今回は「打者編」だ。第96回都市対抗野球大会に出場する選手たちの中から、2025年秋のドラフト候補をピックアップし、4名の打者を紹介する。

念のため説明すると、社会人は高卒や大卒とはプロ入りの条件が違う。まず社会人球界でプレーする選手は「育成枠」の対象にならない。さらに大卒なら「入社2年目以降」、高卒は「入社3年目以降」でないと、ドラフトの指名を受けられない。

当然ながら年齢的、条件的に「即戦力」として評価されないと、プロ入りは難しい。ただ可能性のある、能力の高い選手がいることは間違いない。

高橋隆慶(JR東日本)

◆高橋隆慶(JR東日本)
・23歳 右投右打 186センチ92キロ
・明秀学園日立高校→中央大学

貴重な「右の長距離砲」として楽しみな内野手だ。中央大学では森下翔太(阪神)の1学年後輩で、2年春に3本塁打を記録するなど、早くから結果を残していた。

ただ、4年時は指名漏れとなり、JR東日本に入社。すると入社1年目から4番に定着し、昨年の『第5回WBSC U-23ワールドカップ』や『アジアウィンターベースボールリーグ』などの国際試合も経験している。

「パワー」「飛距離」については社会人でも1・2を争うレベルだろう。JR東日本入社後はスイングから無駄な動作が消えて「粗さ」も解消されつつあり、今回の東京2次予選は打率.333を記録。

「負けたら終わり」の第4代表決定戦も。2安打1打点と結果を出した。守備位置はサードだが、捕手経験もあり強肩も密かな強み。プロからの高い評価が漏れ聞こえてくる。

石井巧(NTT東日本/鷺宮製作所の補強選手)

◆石井巧(NTT東日本/鷺宮製作所の補強選手)
・23歳 右投右打 180センチ・80キロ
・作新学院高校→中央大学

入社2年目の内野手。7学年上の兄・一成(北海道日本ハム)と同じく作新学院高校に進み、高校・大学とも兄と同じショートが定位置だった。高校時代は2年夏、3年夏と2度の甲子園大会を経験。中央大学では高橋隆慶(JR東日本)と同期で、石井も2年春から主力として起用されていた。

ショートの守備は社会人でも最高レベルと言っていい。打者としては左右に打ち分ける巧打者タイプで、NTT東日本でも中軸を任されている。

もっともNTT東日本は、東京2次予選の第4代表決定戦でJR東日本に破れ、3番ショートで起用されていた石井も、4打数1安打と不発に終わった。ただ、その能力は高く評価され、今大会は第1代表の鷺宮製作所に補強されている。「守備力のあるショート」はNPBでも希少で、やはり2025年秋のドラフト候補だ。

有馬諒(ENEOS)

◆有馬諒(ENEOS)
・24歳 右投右打 182センチ・87キロ
・近江高校→関西大学

アマチュア球界でも「エリート」と言い得る捕手だ。近江高校時代は林優樹(東北楽天)とのバッテリーで、3度の甲子園大会を経験し活躍。ただ、3年夏の選手権は「2ランスクイズ」を決められる展開で、吉田輝星を擁する金足農業高校に敗れている。

関西大学進学後は、1学年下の金丸夢斗(中日)ともバッテリーを組み、関西学生野球連盟で4度のベストナインに輝いた。4年次には日米大学野球の代表メンバーに選ばれるなど、やはり大きな存在感を示した。ただ、プロ志望届を提出したものの、指名を受けられず、ENEOSに進んでいる。

送球、打撃とも高水準な万能捕手で、さらに「野球IQ」が高いタイプ。昨年の都市対抗は先輩の植田響介にマスクを譲ったが、今年は捕手の定位置をつかみ、2次予選も3試合で打率.364、4打点の活躍を見せている。

捕手として一定レベルに達していることは間違いないが、プロ入りにはまだ何かが必要なのだろう。ただ、都市対抗のような大舞台は、彼がその「何か」を掴むために最高のチャンスだ。

熊田任洋(トヨタ自動車)

◆熊田任洋(トヨタ自動車)
・24歳 右投左打 174センチ・82キロ
・東邦高校→早稲田大学

やはり、アマ球界のエリートコースを歩んできた内野手。東邦高校時代は石川昂弥(中日)と同期で、選抜大会制覇を経験している。早稲田大学では、1年春から出番を獲得し、4年時は春秋ともショートでベストナインに輝いた。

堅実な守備に加えて、大学通算8本塁打のパワーも持ち合わせている。大学4年秋のドラフトは「3位縛り」という条件もあり、指名漏れとなったが、社会人の強豪・トヨタ自動車に迎え入れられた。

社会人では守備位置をサードに移し、変わらぬ打力を発揮している。東海2次予選は1番に定着し、4試合で打率.389、4打点と好成績を挙げた。彼もプロで勝負する「突出した強み」を見つけることが1つの課題だが、とはいえ指名に値する実力の持ち主であることは間違いない。

文:大島和人/写真提供:小学館

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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