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エンゼルス戦に負けたあと、取材対応する大谷
4連敗、首位陥落、エンゼルスには史上初のシーズン6連敗。ドジャースは、どん底にかもしれない。
連敗ストップを託された大谷翔平(31)でも勝てなかった。だが、13日のエンゼルス戦(アナハイム)では投手復帰後、最多の球数だった54球を大きく上回る80球を投げたことが、収穫だった。
「意外に疲れは感じなかった。そこは一番良かったことじゃないかなと思いますし、球数を含めてステップを踏めたのはもちろん良かった」
今季最多の球数は4回時点でクリア(62球)。5イニング目でも98~100マイル157.7~161キロ)を計測していた。
ロバーツ監督は、この試合前、レギュラーシーズン中に大谷は最長でも5イニングまでの制限を課すことを明かした。100球&6イニング以上はポストシーズンまで温存することになりそうだ。
投手としての完全復活が着実に近づいているとはいえ、今季は『リハビリの延長』。来季の開幕からシーズンを通して、投げ切るために今は、慎重に慎重を期して負傷防止に努めている。
先攻で打席に立った1回の先頭打者。右翼への三塁打を放ち、運動量は決して少なくなかった。勝利投手の権利まであと2アウトで降板した試合後。「疲れは感じなかった」というコメントは、9度の先発で少しずつ「二刀流の体」が戻りつつある証だ。
「疲れは感じなかったですね。むしろ良い感覚で投げられた。(5回の)最初の打者に対しては良い感覚で投げれた」
レンヒーフォを空振り三振に仕留めた後に3連打。5−4と1点差に迫られ、球数が80球に達し降板した。前夜の時点で3連敗。7月上旬には2位のパドレスに9ゲーム差をつけ、ナ・リーグ西地区の首位を快走していた。
しかし、ゲーム差なしで並ばれて、迎えた一戦。こういうチームの窮地でこそ、大谷は好投して勝利に導く、打ってチームを勇気づける。そんなヒーローストーリーが期待されたが、今回は違った。
それでも、80球を投げて「疲れなかった」と感じる体の状態、投手としてのスタミナが徐々に戻りつつあることは、好材料。シーズン佳境の9月、プレーオフの10月でリミッターを解除する前段階としては、十分なコンディションだ。
エンゼルス戦に向け、ウオーミングアップ中の大谷
「接戦で良いゲームというか、惜しいゲームができている一方で、勝ち切れていない部分は、みんなプレッシャーというか焦りみたいなのはある。大事な試合が続くので、切り替えて、しっかり集中していきたい」
15日(日本時間16日)からは、ドジャースタジアムでパドレス3連戦。同地区のライバル対決は、熱く激しい戦いになる。6月の4連戦では両チームで合計8個の死球を与えるなど死闘を繰り広げた。
パドレスは勢いを加速させたい。ドジャースは巻き返しを期したい。登板間隔から大谷に先発予定はない。打者として、最高のパフォーマンスを発揮する。一戦必勝を期すようなプレーオフの前哨戦の3試合がはじまる。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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