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野球 コラム 2025年8月9日

【広島好き】2027年セ・リーグでDH制導入。そこでカープでDHに向いた選手を調べてみた

野球好きコラム by 大久保泰伸
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マツダスタジアム

2027年シーズンからセ・リーグでも指名打者(DH)制が導入されることになりました。

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など、国際大会での基準ルールであり、日本でも社会人野球、大学野球に続いて高校野球でも採用が決まったことで、最後に残った感のあるセ・リーグもついに導入ということになったようです。

近年顕著になっていたセ・パ両リーグの実力差の要因とも言われるDH制の導入は、カープにとって吉と出るか、凶と出るか。そして現在のチームで、指名打者の“レギュラー”になれそうなのは誰なのでしょうか。

今季の交流戦ではファビアンが6試合、坂倉将吾が3試合でDHとして起用されており、ファビアンは27打数5安打の打率.185、坂倉が10打数4安打の打率.400でした。

過去5年間を遡ってみると、もっとも多くDHでスタメン起用されているのが松山竜平の14試合(2024年2試合、23年4試合、22年7試合、21年1試合)で、5年間の通算成績は50打数8安打の打率.160。松山に続くのが坂倉ですが、5年間で7試合(25年3試合、24年1試合、21年1試合)に過ぎず、通算成績は25打数7安打の打率.280です。

その他の選手はほとんど1試合か2試合のみの起用で、5年間で14人の選手がDHでスタメン起用されていますが、全員合わせても本塁打はゼロ。今季で40歳になる松山は、2027年も現役を続けているのか微妙な状況で、数字上で見ると、残念ながらDHで期待できそうな選手は見当たらないのが現状と言えそうです。

そうなると若手選手に期待、ということで、すでにDH制を採用しているウエスタン・リーグで指名打者として起用されている選手の成績を調べてみました。

今季、8月6日終了時点(以下全て同じ)で、途中出場も含めてもっとも多くDHで起用されているのが、高卒2年目の仲田侑仁です。仲田は今季、二軍で63試合に出場して打率.223、0本塁打、16打点ですが、開幕戦に4番・DHでスタメン起用されるなど、DHでは19試合に出場して、63打数14安打の打率.222、5打点。現時点では、DHでも守備についても打撃成績に変わりはないようです。

仲田に次ぐ18試合にDHで出場しているのが松山で、二軍の36試合出場で打率.284、1本塁打、10打点に対して、DH起用時は44打数12安打の打率.272、0本塁打、7打点。数字的にはまずまずと言えますが、前述した年齢の問題などを考えると、2年後の一軍DHのレギュラー奪取は現実的に難しいと言わざるを得ないでしょう。

日本人の若手選手では、ドラフト4位ルーキーの渡邉悠斗が10試合、DHで起用されています。二軍の39試合出場、打率.231、1本塁打、10打点に対して、DH出場時は36打数8安打の打率.222、0本塁打、2打点。7月のプロ初本塁打は三塁でのスタメン時のもので、一、三塁に加えて捕手も守れるマルチな一面も持つルーキーは、DHのみでの起用はもったいないタイプと言えそうです。

ドミニカアカデミー出身で、現在は育成のM・ラミレスはDHとして11試合に出場。二軍での47試合出場、打率.189、3本塁打、12打点に対して、DH出場時は36打数11安打の打率.306、1本塁打、7打点と、DHでは打率3割を超えており、『DH向き』の選手といえるかもしれません。

その他では宇草孔基(10試合)、中村貴浩(6試合)、中村健人(6試合)などの中堅選手がDHで起用されており、両中村はいずれも打率3割超を記録していますが、2人とも一軍のDHを任せるにはもうひとつ物足りない印象です。

そんな中、試合数こそ少ないですが、DHで特出した数字を残しているのが、今季は一軍で2年ぶりに本塁打を放った林晃汰です。林は二軍で53試合出場、打率.274、7本塁打、23打点をマークしていますが、DH出場時は20打数9安打の打率.450(2本塁打、6打点)と驚異的な数字を残しています。

一軍では内野守備面の不安が打撃に影響していると言われた左の大砲候補にとって、DH制の導入はまたとないチャンスの到来となるかもしれません。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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