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中日のマイケル・チェイビス
8月に入った。全国各地で40度以上を記録するなど、酷暑がどんどん進んでいる。行楽シーズンではあるものの、読者の皆さまにおかれましては、ご自身の体を最優先にしてほしいと願う。
プロ野球のペナントレースは残り50試合前後となり、ラストスパートが視野に入るところ。井上一樹監督率いる中日ドラゴンズは、一進一退を続けながら上位陣に食らいついている。本稿ではオールスター明け最初の3カードについて振り返りつつ、8月5日からの9連戦を展望していきたい。
◆オールスター明けの3カードは3勝5敗
まずはオールスター明け最初の3カードを振り返ろう。期間中はビジターで東京ヤクルト、ホームで巨人、そしてビジターで広島と戦った。
・7月26日(土):●1-2 東京ヤクルト
・7月27日(日):●2-3 東京ヤクルト
2連敗でオールスターブレイクに入ってリセットを図るも、敵地・神宮で東京ヤクルトに連敗。2試合とも1点差という悔しい結果となった。
初戦は細川成也の適時打で先制するも、追加点を奪えず。投手陣が中盤以降に逆転を許して敗れた。2戦目は細川の2本のソロでリードを奪うも、先発・松葉貴大が粘りきれなかった。
・7月29日(火):◯8-5 巨人
・7月30日(水):●0-2 巨人
・7月31日(木):◯7X-6 巨人
本拠地・バンテリンドームナゴヤに戻り、巨人との3連戦。見応えのあるゲームが続き、2勝1敗と勝ち越した。
初戦は3点を追う4回、上林誠知の適時打とジェイソン・ボスラーの3ランで逆転に成功。5回には岡林勇希の2ラン、6回には代打・鵜飼航丞の適時打などで効果的に加点した。投げては大野雄大がトレイ・キャベッジに2本塁打を浴びるも、6回まで投げて勝利投手。ジュニオル・マルテが5月1日以来のセーブを挙げた。
2戦目は戸郷翔征に抑え込まれて敗れたが、3戦目があまりにも劇的な展開だった。
1-1で迎えた4回、金丸夢斗が甲斐拓也に勝ち越し3ランを被弾するも、その裏すぐにマイケル・チェイビスが来日初安打となる2ランを左翼席に叩き込む。6回に再び3点差へ広げられるも、8回に岡林の適時打で追撃。4-6の2点ビハインドで9回に入った。
9回は相手の守護神、ライデル・マルティネスが立ちはだかる。それでも中日は先頭のボスラーが二塁打を放つと、続く細川が高めの速球をしばき上げて左中間へ同点2ラン!
まだ福島での逆転3ランが印象に残る中、再び「ライデル撃ち」を見せた。最後は10回にボスラーが満塁から犠飛を放ち、今季4回目のサヨナラ勝ち。7月最後の試合を華麗に締めた。
・8月1日(金):●1-3 広島
・8月2日(土):◯6-0 広島
・8月3日(日):●1-2 広島
8月最初のカードはビジターに乗り込んでの広島戦。1戦目は石伊雄太の適時二塁打で先制するも、中盤から終盤にかけて継投に失敗。痛い逆転負けを喫した。
2戦目はエース・高橋宏斗が先発。7月から調子を上げる右腕は序盤から凡打の山を築き、7回までわずか1安打ピッチングを展開。8回に唯一、2死1・2塁のピンチを背負うも、矢野雅哉を空振り三振に仕留める。9回も最後の打者にこの日最速の155キロをマークするなど、圧巻の内容で完封勝利を達成。相手打線を全く寄せ付けなかった。
打線も4回までに単打のみの9安打で5得点を記録。7回には細川が3年連続2桁に乗せる10号ソロを放ち、ダメ押し点を挙げた。
3戦目は1点を争う接戦となり、6回に松葉が末包昇大に勝ち越しソロを打たれ、これが決勝点に。2カード連続の勝ち越しとはならなかった。
◆チェイビスが鮮烈デビュー
上位追撃の「ラストピース」が鮮烈デビューを果たした。背番号23、マイケル・チェイビスだ。
26日から二軍戦に出場、31日に一軍合流。デビュー戦は本拠地・バンテリンDでの巨人戦だった。
この日は「5番・三塁」でスタメン出場。第1打席こそ空振り三振に終わるも、第2打席で挨拶代わりの特大2ラン。井上温大の高めストレートを強振した打球は、打った瞬間それとわかる特大弾で、レフトスタンド中段に着弾した。
目を見張ったのはその次の打席だった。5回裏、1死1・2塁。巨人は井上を諦めてサイド右腕の船迫大雅を投入。チェイビスはMLB時代からフリースインガーとして知られ、船迫独特の外に逃げるスライダーにどう対応するかが見ものだった。
勝負はあっけなく決まった。初球の甘く入ったスライダーをチェイビスは軽打でライト前へ運んだ。甘く入ったとはいえ、初見で船迫のスライダーを捉えたのは好印象。今後に期待が持てる内容だった。
三塁の守備は現状無難にこなしており、メジャー仕込みの強肩を度々披露。本人は二塁の方が自信があるようだが、まずは複雑な動きの少ない三塁で日本野球に慣れてもらいたい。
常に笑みを絶やさず、底抜けに明るいキャラクターは今の中日にフィットしている。このまま閉幕まで主軸を張ることができれば、自ずとチーム力はアップするはずだ。
◆5日から9連戦がスタート
8月5日からは9連戦が始まる。後半戦最初の山場が訪れたと言って良いだろう。日程は下記の通りだ。
・8月05日(火)~07日(木):vs.阪神(バンテリンドームナゴヤ)
・8月08日(金)~10日(日):vs.広島(バンテリンドームナゴヤ)
・8月11日(祝)~13日(水):vs.巨人(東京ドーム)
2カード目までは本拠地、最後のカードも敵地とはいえドーム球場でやれるのは好材料だ。天候に左右されず、日程が読める上に空調も効いている。ゲームプランも立てやすいのではないか。
最初の阪神戦は大野雄大、柳裕也、金丸が先発と見られる。これまで阪神相手には7勝5敗と勝ち越しており、バンテリンDでも4勝2敗。相性の良さを発揮したいところだ。注意したいのはやはり佐藤輝明だ。リーグトップの27本塁打を記録する大砲は、バンテリンDでも6試合で3ホーマー。特に走者を置いた場面での痛打は避けたい。
広島とは2週続けての対戦。先発もカイル・マラー、高橋宏、松葉と先週と同じメンツで臨むと思われる。7月11~13日の3連戦3連勝を再現できると最高だ。気をつけたいのは末包か。先週も痛い決勝弾を浴びるなど、持ち前の勝負強さを発揮されており、警戒すべき打者だ。
東京ドームでの試合は約3ヶ月ぶりとなる。金丸の2度目の登板や、山本泰寛が2本塁打を打った頃と思えば、時間の経過がうかがえるだろう。
Aクラスを狙う上では必ず叩かないといけない相手なだけに、勝ち越しを狙いたい。キーマンは上林誠知。対戦カード別で最多の4本塁打を放っており、打率も3割超(.308)。相性の良さを見せつけたい。
文:加賀一輝
加賀 一輝
1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント
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