人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

野球 コラム 2025年7月26日

【中日好き】ドラゴンズ、後半戦の注目ポイント

野球好きコラム by 加賀 一輝
  • Line

金丸夢斗(ドラゴンズ)

プロ野球は束の間のオールスターブレイクを終え、26日からレギュラーシーズン再開。井上一樹監督率いる中日ドラゴンズは40勝46敗2分け、3位・巨人と2ゲーム差の4位につけている。

残り55試合でどんなドラマを生み出すのか。そして悲願の上位浮上、クライマックスシリーズ進出はなるのか。本稿では後半戦のポイントを5つに絞って綴りたい。

◆高橋宏斗と金丸夢斗、勝ち星は伸びるのか

エース・高橋宏斗が3勝、ドラフト1位左腕・金丸夢斗が未勝利。正直言ってこれは想定外だった。金丸は腰の故障明けでスロー調整のエクスキューズはあるものの、昨季無双状態だった高橋宏がこれだけ勝てないとは…。

ただ、光明はある。高橋宏は前半戦最後の登板(7月16日)で阪神打線を無四球完封。間違いなく今季ベストピッチングでオールスターブレイクを迎えた。金丸は白星こそ恵まれないものの、8度の先発で7度のクオリティ・スタートを達成。21日の横浜DeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)では敗戦投手にこそなったが、8回1失点の好投を見せている。

2002年度生まれ、同い年の2人がチームを勝ちに導けば導くほど、上位浮上の可能性は高まるはずだ。

◆新外国人・チェイビスの実力は?

頼もしい新戦力がドラゴンズに入団した。背番号23、マイケル・チェイビスである。かつてレッドソックスの1巡目指名を受けた逸材は、MLB通算42本塁打の実績を誇る右打者で、ショート以外の内野をこなすユーティリティだ。

24日に入団会見を行い、井上監督は二塁もしくは三塁での起用を示唆。本人も「野球を楽しめるのが強み。勝ちに貢献したい」とアピール。まずはファームで調整してから一軍合流とのことだが、お披露目の瞬間が待ち遠しい。肩にかかるほどの長髪にヒゲを蓄えたワイルドな風貌も新鮮だ。

現状の打線は1番・岡林勇希が不動で、上林誠知と細川成也、ジェイソン・ボスラーのクリーンアップも機能。チェイビスは2番か6番、もしくは上林を2番に上げての3番起用が考えられる。

◆ケガ人の復帰具合

今季の中日は主力級のケガ人が多く発生。ベストメンバーで戦う期間はほぼなかった。今も故障からの復帰を目指す選手が多くいる。

投手陣でいえば、松山晋也が挙がる。開幕から抑えに定着すると、6月末までに28セーブを記録。真上から投げ下ろす速球とフォークで打者をねじ伏せるも、このほど右肘尺骨肘頭疲労骨折が判明。

ファン投票で選ばれたオールスターも辞退を余儀なくされた。それでも8月下旬の復帰が見込まれており、終盤はまた持ち味の「ガンギマリ」を披露してくれるはずだ。

野手陣では三塁を守る福永裕基と高橋周平、正捕手格の木下拓哉が長期離脱中。今季のキーマンとされた福永は、オープン戦で右膝内側側副靱帯を損傷。復帰直後の5月末には左手関節を骨折。左手首にプレートを入れる手術を行なっている。本人はリハビリ中だが、8月中の実戦復帰を目指しており、最終盤に勇姿を見せてくれるだろうか。

また、プレー中に左肘の脱臼に見舞われた高橋周、左ハムストリングの損傷を負った木下拓の早期復帰も願いたい。

◆岡林のタイトル獲得、上林はカムバック賞なるか

タイトル争いも気になるところ。特に期待したいのは岡林と上林だ。

岡林は打率.294でリーグトップ(厳密にいえば2割9分3厘7毛8糸。2位とはわずか「2糸」差)。2022年に最多安打を獲得しているが、ここまで主要な打撃タイトルとは無縁。初の首位打者に向けてチャンスが到来している。先のオールスターでも第1戦で三塁打と失策が絡んだ『ランニング本塁打』を放つ活躍。敢闘選手賞に輝いており、波は来ている。

一方の上林はリーグ2位の19盗塁をマーク。1位の阪神・近本光司とは4個差で、まだまだ射程圏内だ。過去にアキレス腱を断裂した選手で盗塁王を獲った例は聞いたことがない。ぜひ、上林にはその先駆者になってもらいたい。

また、上林に期待したいのはカムバック賞だ。近年受賞へのハードルが高くなっており、セ・リーグでは2018年の松坂大輔(当時中日)が最後。戦力外から2桁本塁打&2桁盗塁を記録した選手もそう多くないため、受賞の資格は十分にあると思うが果たして。

◆若手有望株のデビューは?

最後は若手有望株の一軍デビューについて。投手は2年目の草加勝、ルーキーの吉田聖弥、高橋幸佑の3名。野手は同じくルーキーの森駿太が挙げられる。

草加はドラフト1位で入団した直後、右肘のトミー・ジョン手術を受けた。リハビリを経て、今季は事実上のルーキーイヤーを迎えている。ここまでファームでは4度の先発を含む6試合に登板し、防御率2.08。縦に割れるカーブは一級品で、上のレベルでも通用するはず。イニングを重ねて、デビューの時を待つ。

ドラフト2位左腕の吉田聖弥は、いわゆる「高卒社会人」で金丸らと同い年。速球のノビとチェンジアップが武器で、フレッシュオールスターで三者三振の離れ業を見せている。

高橋幸は完成度が高く、首脳陣からも評判の高さがうかがえる。こちらは高卒間もないということでじっくり育てる方針だが、もしかしたら最終盤の一軍デビューがあるかもしれない。

森駿は桐光学園高校時代から左のスラッガーとして鳴らし、ファームですでに3本塁打をマーク。188センチ93キロと体格も良く、次代のチームを引っ張る雰囲気が漂う。このまま故障がなければという注釈付きだが、今季中のデビューがあってもおかしくない。

文:加賀一輝

加賀 一輝

加賀 一輝

1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ