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野球 コラム 2025年7月23日

【中日好き】オールスター前の1週間は3勝2敗。高橋宏斗がエースの投球

野球好きコラム by 加賀 一輝
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高橋宏斗(ドラゴンズ)

プロ野球は前半戦が終了。厳密には各球団80試合以上を消化済みで、折り返し地点を越えているのだが、オールスターブレイクを迎えるタイミングが切り替えにちょうど良いのだろう。

井上一樹監督率いる中日ドラゴンズは東北遠征から連勝を伸ばし、上位をうかがえるポジションまで上昇してきた。本稿ではオールスター前最後の1週間について振り返りたい。

◆連勝が7でストップ、4位で後半戦へ

先週の前半は敵地・甲子園で阪神と戦い、後半は土・日・月の3連休で本拠地に横浜DeNAを迎えた。

・7月15日(火):◯3-2 阪神
・7月16日(水):◯6-0 阪神

首位を走る阪神との甲子園シリーズ。初戦は柳裕也が4月23日以来となる一軍での先発を務めた。相手の強力打線を向こうに回し、5回1失点の粘投。4つの四球を許し、5回まで113球を要する部分はまだ本調子でないと思われるが、長年主戦を張ってきた右腕の意地を感じさせた。

試合は2-2で延長戦に入り、10回に6番手・勝野昌慶が3者連続三振の快投。続く11回には細川成也とジェイソン・ボスラーの連続二塁打が飛び出し、勝ち越しに成功。最後は清水達也が抑え、連勝を5まで伸ばした。

第2戦は高橋宏斗が先発。この日の高橋宏は立ち上がりからボールに威力があり、阪神打線を寄せ付けない。すると、両軍無得点の6回に2死1・3塁から、上林誠知が右中間突破の適時2塁打を放ち2点を先制する。

結論から言うと、高橋宏にはこの2点で十分だった。援護点をもらった後も凡打の山を築き、8回と9回は2死から走者を2塁に置くも、危なげなく処理。見事、今シーズン初の完封勝利をマークした。打線も9回に前祝いのように4点を挙げて、終わってみれば6-0の快勝を収めたのだった。

第3戦は金丸夢斗が地元・関西に凱旋予定だったが、雨天のため中止となった。

・7月19日(土):◯7-2 横浜DeNA
・7月20日(日):●3-5 横浜DeNA
・7月21日(祝):●0-1 横浜DeNA

前半戦最後のカードとなった横浜DeNA戦。連勝をどこまで伸ばすかに注目が集まる中、初戦は7-2と勝利。7連勝まで持ってきた。

この日はカイル・マラーが先発。5回に2点を失うも、6回2失点の好投を見せる。一方の打線は5回にボスラーの2点適時打で追いつくと、続く6回には細川成也が勝ち越しの2点適時打。7回に田中幹也の2点適時二塁打が飛び出し、8回にはボスラーが来日初の1試合4安打となる適時打でダメ押し。名古屋に戻ってきても強さを感じさせるゲームだった。

2戦目は1-1の7回、田中の2点適時打で勝ち越し。そのまま逃げ切り体制に入るも、9回に清水が京田陽太に同点打を浴びて延長へ。続く10回に勝野が決勝点を奪われて敗戦。連勝は7でストップした。

3戦目は金丸が満を持して先発。相手エース・東克樹と互角の投げ合いを展開するも、6回に喫した1失点が命取りに。8度目の初勝利チャレンジも失敗に終わった。

これでオールスター前までの全試合を消化。88試合を戦い、40勝46敗2分の4位。3位・巨人と2ゲーム差、首位・阪神とは12ゲーム差である。残り55試合で1つでも上の順位を目指していきたい。

◆高橋宏斗、これぞエースの投球

高橋宏斗の完封勝利を目の当たりにして、「やっとか」という想いでいっぱいだった。

昨季の無双状態を思えば当然である。昨季の同じ時期は1ヶ月を通して自責点ゼロが続き、シーズン防御率は0点台をキープ。面白いように三振が取れて、100球以内の完封(いわゆる「マダックス」)を成し遂げていた。

当然今季も…と、誰もが活躍を信じて疑わなかったが、蓋を開けてみたら勝てない日々。速球のスピードは相変わらず150キロを優に超える一方、宝刀・スプリットが打者に見切られ、狙われ、痛打を浴びる。5月2日の広島戦で2勝目を挙げて以降、2ヶ月以上白星から見放されていた。

打線との兼ね合いがあったり、ローテ主戦級との投げ合いを余儀なくされたのはエクスキューズと言えるかもしれない。それでも圧倒的な力でチームを勝利に導くのがエース。勝ちに見放されている間に5つの黒星を喫したのは残念なところだ。

その上で、16日の完封劇は見事だった。噴き上がる軌道の速球とスプリット、カットボール、ナックルカーブの変化球が全て勝負球として機能。両サイドにきっちりと投げ分け、それでいて無四球。これぞエースという内容を見せた。

後半戦はもちろん、上昇に向けたキーマンになる。大黒柱がグラつかなければ自ずと順位は上がっていくはずだ。

◆オールスターは久々の出場・上林に期待

23日(水)と24日(木)はオールスターゲームが開かれる。中日からは松葉貴大、清水、藤嶋健人の3投手と、岡林勇希&上林の外野手コンビが出場予定だ。ファン投票で選ばれた松山晋也の欠場は残念だが、代わりに選ばれた藤嶋には球宴を楽しんでもらいたい。

中日の選手がオールスターMVPに輝いたのは、2008年の荒木雅博が最後。17年間ご無沙汰となっている。往々にしてMVPは野手が取りやすいため、岡林と上林のどちらかが獲得することを期待したい。特にソフトバンク時代の2017年以来、8年ぶりの出場を果たした上林が獲得すればドラマになるだろうが、果たして。

文:加賀一輝

加賀 一輝

加賀 一輝

1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント

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