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キャッチボールをするダルビッシュ
今持っている力、技術のすべてを尽くして投げている。パドレスのダルビッシュ有投手(38)が7月19日(日本時間20日)、右肘の炎症から復帰して3度目の先発を迎えた。
ナショナルズ戦で復帰後最長となる5イニング、69球を投げ、5安打3失点とゲームメークした。2敗目を喫したが、試合の強度で重ねた球数が収穫だった。
「5回、今日の球数投げるぐらいは十分、耐久できたという感じはします」
気温30度、湿度90%以上の高温多湿。雷雨予報で1時間5分遅れて、プレーボールがかかった。消耗の激しい環境で味方の守備に助けられながらも、責任投球回まで70球未満で投げられたことは次戦につながる。
先発投手の数から考えると、次回は中4日で24日(日本時間25日)、敵地セントルイスでのカージナルス戦。
ここでは中地区特有の高温地域。最高気温は35度の天気予報だ。現地で午後6時45分開始時は少し気温も下がるだろうが、選手たちにとって厳しい環境になることは間違いない。
勝負どころの8月、地区優勝争い、プレーオフ争いが激しくなる9月を見据え、徐々にコンディションを上げるように調整、計算しているのか。
「いやいや、もう今にかけてますよ。もう今日の100%でいきたいと思って投げています。そんな、こうなんていうのか(調整ペースを)ゆっくりゆっくりっていうふうには全く考えてないです」
7月19日のナショナルズ戦で先発前の準備をするダルビッシュ
★フォームにも工夫を凝らしている。左足の上げ方は、2024年までのスタンダードだった二段モーション気味にタメを作る投げ方に加え、今春のキャンプとオープン戦で取り組んだ一連の流れの中で投げるフォームをミックス。その上で左足を上げるタイミング、タメを作る時間などに変化をつける。
セットポジションに入る際には、グラブをシャッフルするような仕草をまぜ、打者に球種の予想を難しくさせるようなアクションも追加している。昨季までは通常装備していなかった引き出しを使い、チームへの貢献を最大化しようとトライしている。
「どういう形であれハードヒットを許しても、抑えればいいので。そこは考えながら、今日もハードヒットを許していましたけど、あんまり下を向かずに、アウトを取れればいいや、というふうに思っていた」
開幕からの不在に責任を感じるからこそ「今にかけ」、使える技を尽くす。それがダルビッシュの戦い方だ。今季初勝利、そして日米通算として歴代1位となる204勝(MLB110勝、日本ハム93勝)は、近いはずだ。
「チームが勝つことがもちろん一番ですけれども、やっぱり自分としてもスッキリするような内容とか結果が早くほしい」
メジャーで14シーズンを迎えるベテランとて、シーズンの1勝目を渇望している。チームに貢献したい、そして自分が再び肘に問題がなく自信を持って投げられるようになりたい。ダルビッシュは「今にかける」日々を積み重ね、過ごしている。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
yukiyamada_mlb
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