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野球 コラム 2025年6月3日

【中日好き】先週の振り返りと今週の展望:新3番・岡林勇希が躍動した1週間

野球好きコラム by 加賀 一輝
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岡林勇希(中日ドラゴンズ)

6月に入った。プロ野球はセ・パ交流戦を控え、同一リーグとの対戦は一旦お休みになる。

井上一樹監督率いる中日ドラゴンズはここまで51試合を戦い、23勝26敗2分の5位。首位とは6.5ゲーム、クライマックスシリーズ圏内とは3.5ゲーム差につけている。

本稿では交流戦前最後の1週間となった先週の振り返り、並びに今週の展望を綴っていきたい。

◆先週は4勝2敗

まずは先週の振り返りから。前半は神宮球場で東京ヤクルト、後半は本拠地・バンテリンドームナゴヤで巨人と戦った。

・5月27日(火):●1-2 東京ヤクルト
・5月28日(水):◯4-1 東京ヤクルト
・5月29日(木):◯6-0 東京ヤクルト

神宮での初戦は敗戦以上にショックな出来事が2つあった。1つは川越誠司の『幻の逆転2ラン』、もう1つは福永裕基の再離脱だ。

川越の一打は本塁打性の打球がファウルに判定され、リプレー検証でも覆らず、大きなハレーションが起こった。なお、後日にNPBが「本塁打たる映像を確認」したとのことで、今後はこのようなことがないよう改善を促したいところだ。

福永はこの日からスタメンに復帰したが、本塁でのクロスプレーで左手首を強打。診断結果は「左手関節骨折」で数ヶ月の離脱、一部報道ではプレートを入れる手術を行うとしている。打線のキーマンの再離脱は正直厳しいが、いる選手でやっていくしかない。

水曜の第2戦は、6回に岡林勇希のタイムリー二塁打などで3点を先制。そのリードを先発・三浦瑞樹をはじめ5人の継投で守りきった。翌日の第3戦は、カイル・マラーがついに来日初勝利をマーク。緩急が冴え、7回無失点の好投を見せた。打線も3回までに先発野手全員安打を記録するなど、13安打6得点を挙げる快勝だった。

・5月30日(金):●1-4 巨人
・5月31日(土):◯4-2 巨人
・6月01日(日):◯4-1 巨人

交流戦前最後のカード、本拠地での巨人戦は2勝1敗と勝ち越し。今季初めて巨人相手にカード勝ち越しを決めた。

初戦は1番に入った上林誠知が先頭打者本塁打を放つも、その後は好機を活かしきれず。6回と7回の2イニングで計4点を失い、逆転負けを喫した。

第2戦は終盤にドラマが待っていた。1点を追う7回、代打・高橋周平のタイムリー二塁打で追いつくと、続く8回には再び代打・板山祐太郎がライト線に勝ち越しの2点タイムリー三塁打。ベンチの代打策が当たり、連敗を阻止した。

日曜の第3戦も終盤まで1-1で進行。8回に相手のセットアッパー・大勢を攻め、暴投で勝ち越し。4番のオルランド・カリステの2点タイムリーで突き放した。先発の松葉貴大は7回1失点のHQS(ハイクオリティ・スタート、7回自責点2以下)を達成。松山晋也は早くも20セーブに到達した。

◆新3番・岡林勇希が躍動の1週間

この1週間は岡林のバットから幾度となく快音が聞かれた。

6試合で26打数9安打(打率.346)、1本塁打3打点、OPS.931の成績。全ての試合で安打を放っており、5月23日から始まった連続試合安打は「9」まで伸びている。もともとスロースターターで夏場から調子を上げてくる岡林だが、例年よりちょっと早く「猛打モード」に入ったようだ。

28日のヤクルト戦からは3番に座る。「どの打順でもやることは変わらない」と公言するが、同日の試合で均衡を破るタイムリー二塁打を放ったり、6月1日の巨人戦では打った瞬間、それと分かる本塁打を放つ姿を見ると、打者としてもう一皮剥けるフェーズに入ったかもしれないと感じてしまう。

安打を積み重ねる能力は過去5年で十分見せてきた。今後は3番起用を契機に、ツボにハマれば長打があること、走者を返す打撃ができることを見せてもらいたい。まだ20代前半なのだし、打撃のスケールが大きくなることを期待しよう。

◆敵地・福岡で交流戦スタート

今週の予定は以下の通り。セ・パ交流戦のスタートだ。

・6月3日(火)~5日(木):vs.福岡ソフトバンク(みずほPayPayドーム)
・6月6日(金)~8日(日):vs.千葉ロッテ(バンテリンドームナゴヤ)

今年の交流戦は敵地の福岡ソフトバンク戦で開幕する。昨季のパ・リーグ優勝チームであるソフトバンクだが、現状は勝率5割の4位とらしくない戦いが続く。故障者の続出が主な要因と考えられるが、近藤健介や今宮健太が復帰するなど、徐々に戦力が整ってきた印象だ。

中日の先発予想は、涌井秀章、三浦、金丸夢斗の3人。三浦が古巣相手にどんなマウンドを見せてくれるか注目だ。

交流戦最初の本拠地ゲームは千葉ロッテを迎えての3連戦。千葉ロッテは開幕から低迷を続け、2日には複数の首脳陣入れ替えを起こるなど、危機的状況に陥っている。ただ、こういう時こそ力を発揮してきたのが千葉ロッテというチーム。スタンドを黒く染めるファンの圧力も含め、注意が必要だ。

中日の先発予想は大野雄大、高橋宏斗、松葉の3人。エース・高橋宏は前回登板で勝ち星こそつかなかったが、7回2失点、117球の熱投を見せた。昨季の交流戦は3戦2勝、19回1/3でわずか1失点と結果を残しているだけに、今季も期待したいところだ。

文:加賀一輝

加賀 一輝

加賀 一輝

1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント

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