【中日好き】先週の振り返りと今週の展望。好守好走＋好打の田中幹也が躍動

決勝の本塁打を放った田中幹也（ドラゴンズ）

気づけば開幕から約2カ月が経過。セ・リーグは比較的混戦の様相を呈しており、井上一樹監督率いる中日ドラゴンズも、上位陣になんとか喰らいついている状況だ。本稿では中日の先週の振り返り、ならびに今週の展望を綴っていきたい。

◆先週は2勝4敗のドラゴンズ

まずは先週の振り返りから。週の前半は敵地で横浜DeNA、後半は本拠地で阪神と戦った。

・5月20日（火）：● 2-10 横浜DeNA
・5月21日（水）：◯ 6-5　横浜DeNA
・5月22日（木）：● 0-4　横浜DeNA

横浜スタジアムでの本カードは「BLUE☆LIGHT SERIES」と題し、連日アーティストのライブが行われて大いに盛り上がった。この3連戦はその盛り上がりに少し食われてしまった印象だ。

初戦は先発・大野雄大が初回から捕まり、後を継いだ根尾昂も2本の本塁打を浴びKO。濱将乃介のプロ初安打初打点が唯一の救いとなった。

2戦目は相手先発のトレバー・バウアーを攻めて、4回までに4点をリード。このまま勝利をと思いきや、終盤に追いつかれてしまう。それでも9回に田中幹也がレフトスタンドに決勝弾を叩き込み、なんとか勝つことができた。

3戦目は1カ月ぶりの登板となったカイル・マラーが、6回途中4失点と期待に応えられず。打線も石田裕太郎にわずか1安打に抑えられ、完敗を喫した。

・5月23日（金）：● 0-3 阪神
・5月24日（土）：◯ 5-4 阪神
・5月25日（日）：● 1-5 阪神

バンテリンドームナゴヤでの阪神戦は、3試合とも終盤までもつれた。結果は1勝2敗となったが、紙一重だったのは確か。ミスをした方が負け、チャンスを活かせなかった方が負けと、改めて痛感した。

初戦は涌井秀章と村上頌樹の投げ合いが終盤まで続き、0-0のまま延長に突入。11回に藤嶋健人が3点を失い、そのまま敗れた。打線が再三得点圏に走者を進めながら得点できなかったのも響いた。

2戦目は序盤から点を取り合う展開に。3-3で迎えた8回、1死2・3塁から高橋周平がセンター前へ2点適時打を放ち、これが決勝点となった。

3戦目は5回に1点ずつを取り合い、同点のまま9回へ。緊迫した展開の中、3番手で登板のジュニオル・マルテがバント処理で悪送球を2度してしまうなど4点を失い、ジ・エンド。ただ、ケガから復帰の福永裕基がいきなり二塁打を放ったことで、竜党は少しだけ救われたことだろう。

◆大卒3年目・田中幹也が躍動

先週は主に「2番・二塁」を務める田中の活躍が目立った。

田中は166センチと小柄ながら「忍者」と称される好守と、名門・亜細亜大学仕込みのアグレッシブな走塁が持ち味の内野手。大卒3年目の今季は3月初旬に左手有鈎骨を骨折して出遅れるも、5月6日に一軍登録。10日の阪神戦からは1試合を除いてスタメン出場を果たしている。

出色の働きを見せたのが、21日の横浜DeNAとの第2戦。第3打席でバウアーの低め変化球に対応し、二塁手の後方へ落とす適時打。続く打席で相手の犠打失策を誘い追加点を演出すると、クライマックスは9回の第5打席に待っていた。

5-5の同点、投手は速球派右腕の入江大生。カウント2-1からの内角速球を叩き、ドラゴンズファンの待つレフトスタンドへ勝ち越しソロ。本人も「人生で一番の打球」と話す今季1号アーチが値千金の決勝点となった。

また、24日の阪神戦でも8回先頭で9球粘って四球をもぎ取り、その後、高橋周の決勝打で生還。大技小技でチームに貢献している。

大学時代に国指定の難病「潰瘍性大腸炎」を患い大腸を全摘出。今も体力面の不安と戦いつつ、グラウンドでは120％の力を出し切る。その姿に胸を打たれるファンは少なくない。持ち味の好守好走に好打がついてくれば、いよいよ本格的にレギュラーへの道が開けそうだ。

◆交流戦前、最後の1週間

今週の予定は以下の通り。

・5月27日（火）～29日（木）：vs.東京ヤクルト（神宮球場）
・5月30日（金）～6月1日（日）：vs.巨人（バンテリンドームナゴヤ）

週の前半は敵地・神宮で東京ヤクルトと戦う。現在、東京ヤクルトは引き分けを挟んで5連敗中だが、油断は禁物。相手が得意とする空中戦に持ち込まないことが肝要だ。初戦は黄金ルーキー・金丸夢斗がプロ3度目の登板。2戦目以降は三浦瑞樹、マラーの先発が予想される。また、神宮にめっぽう強い村松開人が火曜から一軍に戻ってくる見込みだ。

後半は本拠地で巨人戦。2週間前は東京ドームで負け越しているだけに、やり返したい。土・日は高橋宏、松葉の先発が決定的。金曜は大野が有力視される。なお、このカードがセ・パ交流戦前最後の3連戦となる。