ダルビッシュ有の復帰は近いのか

3Aエルパソのユニホームでリハビリ登板するダルビッシュ

復帰は近いのか。それとも、もう少し先になるのか。5月14日、パドレスのダルビッシュ有投手（38）は3月13日のオープン戦（ロイヤルズ戦）以来、62日ぶりに試合のマウンドに上がった。

右肘の炎症で開幕を負傷者リスト（IL）で迎えていたが、ようやく対外試合の登板に臨めるまでに回復した。マイナー傘下の3A『エルパソ』の一員として、ラスベガス（アスレチックス傘下3A）遠征での一戦で先発だった。

「本当に身体次第です。身体の状態が悪ければ無理だし、戻れないですから。だから、次の数日間でちゃんと見極めながら、というところです」

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4イニングで51球を投げ、2安打2失点。最速は96.8マイル（155.8キロ）をマークした。5月上旬には、アリゾナ州の球団施設で実戦形式の投球練習を行い、そのときには98マイル（157.7キロ）を投げたことをダルビッシュ本人が明かした。

もう一度、マイナー戦でのリハビリ登板が必要なのか。あるいは、5月19日からのトロント遠征（ブルージェイズ3連戦）、アトランタ遠征（ブレーブス3連戦）の期間中にメジャー復帰できるのか。

登板から3日目となる5月17日、シルト監督は「大事なことは、回復具合。今後のステップは、これから見極めていく」と慎重な姿勢のままだった。

登板から3日目、5月17日にキャッチボールを行い、チームスタッフと話し合いダルビッシュ

メジャー復帰までは、一気に加速するかに思われたが、表立って具体化したスケジュールはない。一度、復帰したらプレーオフを見据え、シーズン中の再離脱は絶対に避けたい、というのが球団と本人の共通した考えだろう。

ダルビッシュは、一昨年の終盤と昨季の6月下旬にも「右肘の炎症」を発症している。今回のケガとの関連を聞くと、「いや、全く違いますね」と即答した。

昨季は、左股関節の負傷、右肘の炎症で負傷離脱。さらに「家族に関する個人的な事情」として、制限リストに入り。IL入りと合計すると約3カ月間、戦線を離れた。

ドジャース、ダイヤモンドバックス、ジャイアンツと争う地区優勝を勝ち取るため、そしてポストシーズン進出のため、ダルビッシュは先発投手の戦力としてはもちろん、チームの精神的な支柱として、その存在が不可欠だ。

「技術的には（負傷離脱前に）投げていたときとそんなに変わってなので、やっぱり試合で投げるってなると、身体への負担も違ってくる」

アリゾナの球団施設で行った実戦形式の投球は2度、そして、今回のマイナー戦でのリハビリ登板。これからどんなプロセスでメジャーのマウンドに向かうのか。この1週間、これからの数日で道筋がみえるはずだ。

焦らずに調整してほしい、しかし、早く戻ってきてほしい。パドレスファンは、そんな心理でベテラン右腕の復帰を待っているはずだ。

文／写真：山田結軌（MLBジャーナリスト）