【中日好き】先週の振り返りと今週の展望：負け越しで借金は『3』、序盤の山場となる9連戦。ゴールデンルーキーの登板はいつか？

25日、先制のソロ本塁打を放った上林誠知

開幕からあっという間に1カ月が経過し、世の中はゴールデンウィークに突入。天候にも恵まれそうで、野球観戦にもってこいの季節がやってきた。

井上一樹監督率いる中日ドラゴンズはシーズン最初の正念場を迎えたようだ。先週の戦いぶり、そして来る9連戦の予定・展望を綴っていきたい。

◆先週は1勝4敗

まずは先週の振り返りから。週の前半はビジターで巨人と2連戦、後半はホームでヤクルトと３連戦を戦った。

・4月22日（火）：●1-8 巨人
・4月23日（水）：●0-2 巨人

3連勝で東京ドームに乗り込んだ井上竜だが、連敗を喫し返り討ちに遭った。初戦は先発のカイル・マラーが2週続けて背信投球。相手先発の井上温大に8回で14個の三振を奪われ、投打ともに良いところがなかった。

2戦目は両者無得点の8回、ジュニオル・マルテが大城卓三に痛恨の2ランを被弾。打線は計6イニングで得点圏に走者を進めるも、あと一本が出なかった。

・4月25日（金）：●4-6 東京ヤクルト
・4月26日（土）：◯5-2 東京ヤクルト
・4月27日（日）：●2-6 東京ヤクルト

移動日を挟んで週末は本拠地・バンテリンドームナゴヤに帰還。東京ヤクルトとの初戦は上林誠知の一発で先制するも、若きエース・高橋宏斗がピリッとせずあっさり逆転を許した。

2戦目は4回まで毎回得点の5点を挙げ、試合を優位に進めた。投げては松葉貴大が8回まで相手打線を零封。9回に2失点して松山晋也の助けを借りたものの、見事な4勝目をマーク。村松開人の故障に伴い、今カードから合流の土田龍空も適時打を放った。

3戦目は初戦と同じような展開。初回にジェイソン・ボスラーの2点適時打で先制するも、先発のウンベルト・メヒアが中盤に打ち込まれ逆転。そのまま試合が終わった。なお、24日に支配下復帰が発表された近藤廉が今季初登板し、1イニングを無失点。西川遥輝から三振を奪っている。

◆週間MVPは「攻守で活躍、移籍2年目の外野手」

今週の週間MVPは上林にしたい。移籍2年目の今季は走攻守で良いプレーを続けている。

とりわけ今週の活躍は出色で、特に25日の東京ヤクルト戦は強烈なインパクトを残した。打撃では前述のように先制ソロを放った他に、4点ビハインドの9回には右中間フェンス直撃の適時三塁打で2人の走者を迎え入れた。守備でもホセ・オスナによる「抜ければ満塁走者一掃」の当たりをジャンピングキャッチ。試合が壊れるところを踏み止まらせた。

上林はかつて福岡ソフトバンクで22本塁打を記録し、侍ジャパンの一員に名を連ねたこともある実力者。近年はアキレス腱断裂などケガに泣き、戦力外となったところで中日に拾われた。

移籍1年目の昨季は46試合で打率.191、1本塁打と本領発揮といかず。2年目の今季は並々ならぬ思いで臨んでいる。沖縄での春季キャンプでは連日居残り特打を敢行。福岡ソフトバンク時代の大先輩・松中信彦打撃統括コーチの檄に応え、ロングティーで何度も柵越えを披露。いつもメイン球場で最後まで残っていた。

右翼・細川成也、中堅・岡林勇希が固定される中、必然的に上林は左翼での出番が多くなっている。ソフトバンク時代はあまり守ってこなかったポジションだが、居場所を掴むために必死のプレーが続く。ケガだけには気をつけて、1年を乗り切ってもらいたい。

◆序盤戦の山場、9連戦がスタート

4月29日からは3連戦×3の9連戦がスタート。中日にとっては序盤戦の山場を迎える。日程は以下の通り。

・4月29日（祝）～5月1日（木）vs.阪神（バンテリンドームナゴヤ）
・5月2日（金）～4日（日）vs.広島（マツダスタジアム）
・5月5日（祝）～7日（水）vs.横浜DeNA（バンテリンドームナゴヤ）

9連戦中6試合を本拠地で戦えることはプラスだ。「地の利」を活かして戦ってもらいたい。

鍵になるのは先発投手だ。現状、マラーと柳は登録抹消中。高橋宏はパフォーマンスが低調で、メヒアも復帰戦を飾れず。頼れるのは松葉のみの状況に陥っている。

29日からの阪神戦は2軍で調整を続けてきた投手が連日投げそうだ。具体的には大野雄大、涌井秀章、三浦瑞樹の3人が先発しそうで、涌井と三浦は今季初登板になる。ベテランや新戦力に新たな風を吹かせてもらいたい。

連戦後半の注目は、ゴールデンルーキー・金丸夢斗の一軍デビューについて。金丸は26日の2軍・阪神戦で6回無失点の好投を見せ、ファーム首脳陣からは一軍行きの太鼓判を押された。あとはいつが「Xデー」になるのか。個人的には5月5日、本拠地での横浜DeNA戦と予想するが、果たして。

文：加賀一輝