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〜MLB公式戦、初開催〜
熱狂と興奮のうちに終了したMLB東京シリーズを経て、3月27日にアメリカ本土で開幕した2025年MLBシーズンは、連日の熱戦はもちろんのこと、「トルピード(魚雷)バット」、ヴラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)の大型契約、ドジャースのホワイトハウス訪問など様々な話題で賑わっています。その現地開幕のタイミングで、私MOBY、4泊6日の強行軍で4試合、現地取材に行って参りました。その中からMLB史上初、カリフォルニア州サクラメントで3月31日に開催されたアスレティックス対カブスのレポートを、球場紹介を中心にお届けします。
〜3年間限定、毎日のように試合がある〜
1968年からオークランドを本拠としてきたアスレティックスは、本拠地周辺の治安の悪さ、フットボール兼用で野球観戦に適さないスタジアム仕様などを理由に、2010年代前半から移転計画を何度も発表するも頓挫の繰り返し。紆余曲折を経た2023年11月、ラスベガスへ2028年に移転することを正式に発表、また新球場が完成するまでの3年間はサクラメントにあるサター・ヘルス・パークを使用することになりました。サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下AAAサクラメント・リバーキャッツの本拠地として使われているこの球場、今年から3年間はアスレティックスと併用することになります。つまりシーズン中はどちらかのチームが必ず試合を開催、9月までは毎日の様にボームゲームが開催されるのです。スケジュールを確認したところ、一週間毎に交互に使用する形になっています。
〜カリフォルニア州の州都〜
サクラメントはカリフォルニア州の北部に位置する同州の州都。サンフランシスコ市内からは鉄道を乗り継いで2時間半、ロサンゼルス国際空港からは直行便で1時間半、シアトル国際空港からは直行便で2時間弱のところに位置し、西海岸の球場を巡るのであればアクセスし易いかと思います。人口52万の街は比較的コンパクト、市内の中心から球場までは徒歩30分程度。ボクも歩きましたが道が平坦、日中に関しては歩いて街を巡りながらサクラメント・タワーブリッジを渡って球場に向かうのも問題ないかと思います。街の見どころとしては、美術館が併設されている州会議事堂、オールド・サクラメント歴史地区、鉄道博物館などが有名ですが、ボクはサクラメントを舞台にした大好きな映画『レディ・バード』(2017)のロケ地巡りに空き時間を費やしました……。そう、サクラメントのセブンイレブンではビールなどお酒は販売していないので、お気を付け下さい!
〜スプリング・トレーニングの延長……?〜
サター・ヘルス・パークの収容人員はおよそ1万4千人。1階内野がいわゆる観客席、2階は放送ブースや記者席、VIPルームなどがあります。そして外野ライト側には芝生エリアがあり、その向こう側には子供向けの遊具が併設されています。売店も色々と充実していますが、近年の物価高騰の影響なのでしょう、生ビールは$15(≒¥2,200)から。ただカリフォルニア北部=ワインの名産地だからなのか、ハウスワインが1杯$12とビールより安かったのは納得してしまいました。とはいえボクは記者として訪れたので、今回お酒は飲んでいません……!
試合前、カブスのクレイグ・カウンセル監督はこの球場について「我々がスプリング・トレーニングで使用している球場や複合施設によく似ている。ここで公式戦を行うのは、ある意味スペシャルな時間になるだろう」と語っていました。例えば外野の芝生エリアにシートを敷いて寝そべって観る、ある意味非常に贅沢な観戦方法も可能なわけです。また一方で「私が覚えている限り、ダグアウトの裏にクラブハウスが併設されていないのは、恐らくかつてのキャンドルスティック・パーク(1999年までジャイアンツの本拠地)以来かもね」とも語っていました。通常ならどこの球場もダグアウトの裏にクラブハウスがあるのですが、この球場のクラブハウスは何と外野、レフトフェンスの向こうにあるのです。ダグアウトにはトイレもなく、この日の試合中、イニング間に鈴木誠也選手が一塁側ダグアウトから走ってクラブハウスに向かう=何らかの用事を済ませに行く姿も目撃されていました……。
〜ヒッターズ・パークの様相〜
3月31日、MLB公式戦が史上初めてサクラメントで開催された試合はカブスが一方的な展開、球団史上32年振りとなるカーソン・ケリーによるサイクルヒットも達成され、18対3という結果に。その後の2試合もカブス打線が爆発、特に鈴木誠也は15打数7安打、うち3本塁打の固め打ち。これには少々理由があったように感じられます。サター・ヘルス・パークはサクラメント川沿いに位置し、遮るものが何もないからなのか、常に風が吹いていて、しかも内野から外野方向に吹いていることが多いとのこと。“ウィンディ・シティ”シカゴからやって来たカブス打線はどうやら上手くその風を掴んだのでしょうか、3試合で35点、8本塁打を記録しました。
〜3年間限定、ドジャースは来年〜
アスレティックスの今後のスケジュールを確認すると、残念ながらドジャース戦は今シーズン開催なし、来年以降になってしまうものの、4月13日のメッツ戦はローテ通りに行けば千賀滉大が先発することになりそう。また同地区のエンジェルス戦は5月に4連戦、8月に3連戦が予定され、菊池雄星が先発する可能性も非常に高いです。また菅野智之が所属するオリオールズ戦も6月上旬にあります。更には6月中旬にリバーキャッツがマリナーズ傘下AAAタコマ・レイニアーズを迎える6連戦があり、藤浪晋太郎が登板する可能性もあります。サクラメントでMLB公式戦が開催されるのは3年間限定、現地観戦をお考えの皆さん、日程に余裕があれば是非、足を伸ばしてみてください!
文・オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)
オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)
1995年結成、"LIVE CHAMP"の異名を持つロックバンド「SCOOBIE DO」のドラマー兼マネージャー。
MLBコメンテーターとしても精力的に活動し、J SPORTS「MLBミュージック」メインMC、そして2023年シーズンからMLB中継の解説を担当予定。2022年4月には初の著書『ベースボール・イズ・ミュージック~音楽からはじまるメジャーリーグ入門』(左右社)を出版。MLBに関するラジオ出演や執筆活動も多数。2021年にはテレビ東京系ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』で俳優としてもデビュー。
SCOOBIE DO http://www.scoobie-do.com/
Twitter: @moby_scoobie_do
Instagram: @moby_scoobiedo
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