【広島好き】解説者98人のデータから見たカープの予想順位

広島東洋カープ

シーズン開幕を迎え、毎年の恒例行事となっているプロ野球順位予想。今回は解説者による予想を確認してみたいと思います。実はJSPORTS『横浜好き』コラムでも同じような企画をやったのですが、せっかく苦労して集計したので、ここでも使わせていただきたいと思います。

今回はスポーツ紙6紙と、CSプロ野球ニュースの解説者98人のデータをまとめたものになります。解説者によっては、予想した時期や複数のメディアで異なる順位を付けている場合もありますが、そこはご了承下さい。ここでの予想は、名前の後にカッコで記した媒体でのものとなります。

まず、カープ優勝を予想したのが、野村謙二郎氏、大野豊氏、佐々岡真司氏（いずれもスポーツニッポン、以下スポニチ）、安仁屋宗八氏（デイリースポーツ）、達川光男氏（CSプロ野球ニュース）、里崎智也氏（日刊スポーツ）の6人。

6人中5人がカープOBと、ある意味『お約束』の中、カープには縁も所縁もない里崎氏の存在は、非常に心強いものと言えそうです。

里崎氏は新井貴浩監督の1年目の2023年の順位予想でカープを優勝とした後、昨年は一転して5位と評価を下げており（いずれも日刊スポーツでの予想）、現実に23年2位、24年4位と、的中でこそないものの、実際の順位とリンクしており、信頼度は高いと言えそうです。

広島という地方色の濃い土地柄もあり、『OBゆえの優勝予想』の流れも多い中、達川氏が、昨年の2位予想から今季は優勝予想に変わっているのは注目すべきところかもしれません。昨年の2位予想は外れてしまいましたが、「当てにいって」の巨人優勝は見事に的中させており、温情のみでの順位予想とは少し違うようです。

カープファンにとって、安仁屋氏の優勝予想は千戸不易、永久不変のことと言えますが、今年の予想には例年とは少し違うところがあるようです。

ピッチャーの勝利数からシーズンの勝ち星を算出する『安仁屋算』は、カープファンにはすっかりお馴染みとなっているもので、通常の年では100勝オーバーも珍しくないところですが、今季は「88勝」とかなり現実的なものとなっています。リーグ3連覇を達成した3年間のチームの勝利数は89勝、88勝、82勝ですが、今年の安仁屋算は、いつもとは何かが違うのかもしれません。

5人の他のカープOB解説者を見ると、その3連覇時に監督を務めた緒方孝市氏（日刊スポーツ）は2位、西山秀二氏が3位、渋いところでは岡義朗氏（いずれもデイリースポーツ）が4位となっています。

西山氏と岡氏はいずれも選手、コーチ時代に南海、阪神、巨人など数球団を渡り歩いており、より俯瞰的な目で見られるということでしょうか。ちなみに優勝は緒方氏と西山氏が巨人で、岡氏は阪神となっています。

順位の比率で言えば、優勝が6人で約6％、2位が4人で約4％、3位は12人で約12％。クライマックスシリーズ出場圏内のAクラス確率は約22％と、今季もあまり評価は高くない、と言えそうです。

もっとも多いのが4位の47人で、約48％と半数近くがこの順位を予想しています。5位が23人（約23％）で続き、最下位が優勝と同じ6人となっているのは面白いところです。

ちなみに緒方氏以外に2位の高評価を付けたのが、権藤博氏（日刊スポーツ）、藪恵壹氏（サンケイスポーツ）に、こちらもカープOBである笘篠賢治氏（CSプロ野球ニュース）。

そして最下位は杉本正氏、矢野耀大氏（いずれもスポニチ）、土井正博氏（サンケイスポーツ）、荒木雅博氏（中日スポーツ）、谷沢健一氏、佐伯貴弘氏（いずれもCSプロ野球ニュース）でした。

文／写真：大久保泰伸