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レギュラーの一角を狙う二俣翔一
今キャンプ成長株の二俣翔一は、今年すでに5つのポジションを守っている。広島にとって今年初めての対外試合となった15日のヤクルト練習試合から二塁、遊撃、右翼…を守り、オープン戦初戦の22日巨人戦では三塁でスタメン出場し、途中から中堅に回った。出場6試合で5つポジション(1試合は代打のみ)。昨季6つのポジションを守ったユーティリティー性を発揮して、レギュラーの座を狙っている。
入団時から思い切りのいい打撃が評価されていた。捕手での入団も、2年目には内野手に転向。4年目の昨季は開幕3戦目から一軍に定着した。粘り強い打撃を見せながらも打率は.196に終わり、昨季終了後に打撃改造に着手。DeNAの安打製造機・宮崎を彷彿とさせる直立に近い状態から振り出すフォームに好感触を得た。1月には巨人岡本に弟子入りし、打席内での考え方なども学んだ。
「バットをしっかりしならせて飛ばすイメージでやっている。インコースでもしなってバットが出せているので、いい感じで打撃ができているなと思います」。
打撃でも好調をアピールする二俣
確かな手応えは結果にも表れている。今キャンプでは紅白戦でチーム実戦1号を放つと、15日のヤクルトとの練習試合でもチーム対外試合1号を放った。さらには18日の楽天との練習試合でも、途中出場から1発。打撃での猛アピールに、新井監督もその成長を認める。
「若い野手の中では抜けている。ずっといいものを継続して見せてくれている。技術的に自信があるから、結果として出てくるんだと思う」
続く19日、ロッテとの練習試合では右翼でスタメン出場した。現状、もっともレギュラー争いが熾烈なポジションでの起用に、評価の高さがうかがえた。さらに、15日ヤクルト戦で任された二塁、23日巨人戦の途中から守った中堅には、菊池、秋山翔吾と2人の実績者がいるポジションだ。別メニューで調整を続けているものの、開幕スタメン入りはほぼ間違いない。ただ、昨季同様、首脳陣はベテラン選手を休ませながら起用する考えを持っている。休養を与える試合でも攻守の戦力ダウンは極力避けたいだけに、2ポジションの若手の台頭は今キャンプの懸案事項でもあった。そのいずれも守れる二俣がこのまま結果を残し続けてくれれば、一気に問題が解決する。その2ポジションで起用されていることもまた、二俣への期待の大きさだろう。
24日中日戦で代打出場したように、たとえ控えであっても内野外野の守備固め、代打として使える目処が立ちそうだ。本人にとってはレギュラーとなることが最大の目標だろうが、首脳陣にとってこれほど使い勝手のいい選手はいない。すでに開幕1軍から外せない存在感を発揮している。
文:前原淳
前原淳
カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun
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