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野球 コラム 2025年2月25日

松井裕樹、2年目の進化へカギは“横幅”

野球好きコラム by 山田 結軌
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松井裕樹投手

「立場的には後ろの3人をどかして、そこに入っていかなければいけない立場にいるので、しっかりゲームで最初から結果を求めてやっていきたい」

キャンプインの2月13日、メジャー2年目を迎える松井裕樹投手(29)は勝利パターンの継投を担う目的を明かした。「後ろの3人をどかして」という言葉に強い思いがにじむ。

クローザーのスアレス(36セーブ、防御率2.77)、セットアッパーにアダム(74試合、31ホールド、4セーブ、防御率1.95)、七回はエストラーダ(62試合、防御率2.95)、さらに複数イニングを任される左腕、モレホン(60試合で63回2/3、防御率2.83)がスタンバイする。松井はこのメンバーに割って入ろうとしているわけだ。

2月22日にはアスレチックス戦でオープン戦で初登板。六回にマウンドに上がるが、先頭打者に右中間へ本塁打を浴びてしまった。だが、この1球は進化の途中。習得を目指すツーシームがやや甘めの内角高めに入ってしまった。91マイル(146.5キロ)は打った瞬間に本塁打と分かる打球だった。打った左打者、バトラーは昨季打率.262、22本塁打の外野手。「いきなりホームラン打たれました。まだちょっと(投球フォームの)タイミングが合っていない感じがしたので、そこを修正していきたい」。進化を目指し試行錯誤を続ける。後続の3人は、内野フライ、外野フライ、内野ゴロに抑えた。

進化へ2球種を開発中だ。横変化の大きなスイーパー、ツーシーム。それぞれ逆方向の変化をする球種で投球の幅を作る。メジャー1年目の昨季、地区首位のドジャースを追い上げた9月は同8日から25日まで登板機会が巡らなかった。その間、自らに足りないことを考え、試合への準備と並行して2025年のレベルアップを誓った。オフシーズンにはデータ分析で必要な球種や変化球の変化幅などを分析した。

「昨年ドジャースに負けてシーズンが終わってしまったので(野手陣も)全員そろってもう一回そういう目標を確認してまたモチベーション高くやっていくと思う」

ライバルは大補強を完了し、ワールドシリーズ制覇の大本命。だが、チームリーダーのダルビッシュ有投手(38)を含め、松井もチーム全体も打倒ドジャースに燃えている。昨季のレギュラーシーズンでは8勝5敗と勝ち越した。プレーオフの地区シリーズでも2勝3敗で敗退するが、一時は2勝1敗で王者を追い詰めた。メジャーのポストシーズンでは継投のタイミングが早く、レギュラーシーズン以上にリリーフ投手が重要視される。松井は、そのど真ん中でマウンドに上がる準備とレベルアップを進めている。

MLB(メジャーリーグ)

(文・山田結軌=MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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