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野球 コラム 2024年11月12日

佐々木朗希の交渉でキーポイントは

野球好きコラム by 山田 結軌
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2023年3月撮影

佐々木朗希投手(23)がロッテからポスティングシステムでのメジャー移籍を目指すことが正式に発表されて以来、米国ではオフシーズンの大きな話題になっている。X(旧ツイッター)やインスタグラム、ユーチューブなど各種SNSやメディアで連日、取り上げられている。

移籍先の予想は、なぜかその多くが「ドジャース最有力」。ロサンゼルスが日本選手にとって過ごしやすい土地であること、大谷翔平投手(30)や山本由伸投手(26)ら、結びつきのある選手が在籍していることなどが挙げられている。

ここでは、まだ佐々木がポスティング公示されていない現時点ということで、あえてドジャース以外の可能性について考えてみたい。

ドジャースのように強豪、名門球団ではなく、再建中のチームやスモールマーケットのチームにも大いにチャンスがある。なぜなら、佐々木獲得のキーは「育成プラン」と想像するからだ。つまり移籍1年目から、シーズンを通してバリバリのローテーション投手としての起用は双方ともに望んでおらず、現実的ではない。

まず、佐々木はメジャーには“即戦力の助っ人”として移籍するわけではない。成長過程の若手有望株(いわゆるプロスペクト)に近い。「25歳ルール」でマイナー契約しか結べないが、開幕時点でメジャー契約に切り替えて、26人のベンチメンバー枠に入るだろう。だが、起用方法は中6日以上などの登板間隔を設けるロッテ時代を踏襲するのではないだろうか。代理人を務めるとされるワッサーマンのジョエル・ウルフ氏(54)は自身の顧客であるメッツの千賀滉大(31)とドジャース・山本由伸には、それぞれの球団にメジャー移籍初期は、日本時代に近い調整方法での起用を求め、その条件を受け入れさせてきた。そして、その2投手のメジャー1年目は“成功”といえる活躍だった。

少なくとも、佐々木を獲得する球団は、そのような条件を理解し、数年をかけてメジャーで耐えうる体を作り、シーズンを通して投げることができるローテーション投手へと育成していくはずだ。代理人は、オファーをする球団には『どのような育成プランがあるか?』をプレゼンさせるかもしれない。

日本で規定投球回に達していない佐々木が「メジャーの中4日で1年間ローテーションを守れるのか?」との指摘があるかもしれない。だが、獲得希望球団は、そもそも1年目から求めていない。

佐々木獲得は年俸と契約年数が、勝負の中心にはなり得ない。「育成プランとメジャー順応へのサポート」が交渉のキーポイントになるだろう。

MLB(メジャーリーグ)

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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@YamadaSANSPO

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