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野球 コラム 2024年11月11日

【広島好き】秋季キャンプで鍛錬続ける若手の高い壁となることが求められる「残留組の秋」

野球好きコラム by 前原淳
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覚悟を持って秋季キャンプを送る松山

覚悟を持って秋季キャンプを送る松山

控え選手や二軍選手の力が上がれば、必然的にチーム力は上がる。9月の大失速から2年ぶりBクラスに終わった広島は今、若手中心に宮崎県日南市で秋季キャンプを行っている。今キャンプは例年以上に練習時間が長く、スイング量が増しているという。秋季練習でも行われた紅白戦はすでに2試合実施され、今後も4試合予定されている。今季露呈した得点力不足解消と、攻撃の核となる打者の育成が大きなテーマ。練習と実戦の反復による技術習得を目指している。キャンプ前に新井監督が言った「横一線」のレギュラー争いに、若手は鼻息荒く取り組んでいる。

一方で、広島ではマツダスタジアムと大野練習場、由宇で残留組が、トレーニングを続けている。中堅からベテランになると、若手のように量から質を生み出すのではなく、質の高い取り組みが求められる。秋季練習時から大野練習場を拠点に自主トレを続ける、来季プロ15年目の秋山は自覚と自信を口にする。

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「“自由”と言われるほど、難しい調整もないんですよね。でも、みんなをキャンプに連れて行けないですし、それができないとキャリアを積んできた証もないと思うので」。

秋山だけでなく、ほかの残留組も各自がテーマを持ってトレーニングを続けている。すでに広島県内外の専門家の下でトレーニングや身体のメンテナンスを受けた選手もいれば、菊池はバット工場に足を運んだ。昨オフはコンディション不良で調整が制限された堂林は、10月からみっちりとトレーニングのプランを立て、出力増を目指している。

チーム最年長の松山も、毎日のようにマツダスタジアムに姿を見せる。今季は主に代打として5月10日までは打率.292と勝負強さを発揮するも、シーズン終盤には2度の二軍降格を味わうなど、65試合出場で打率.178に終わった。一軍での出場機会を増やした11年以降では自己ワーストの数字に「自分でも分かっている。覚悟を持ってやらないと(現役生活が)終わる」と口にする。

残留組に感じられる危機感は9月の急失速から4位に終わったふがいなさだけではないだろう。新井監督がシーズン最終戦後のセレモニーでの言葉に、背筋を伸ばしたに違いない。秋季キャンプ前にも、レギュラー争いについて「横一線」と発言した。"全員を平等に見る"という意味ではなく。同じ力ならば、若手にチャンスが回るーー。そんなメッセージに感じられた。

広島は今季、強くならなければいけないことを強く痛感させられた。今オフも移籍市場に参戦する動きがないのは、新井監督も覚悟の上だ。就任から「結果」と「育成」の両輪を回してきたのも、そんな広島の指揮官としての使命からだった。来季はやや「育成」に重きが置かれるかもしれないが、「結果」に目を背けることはできない。キャンプで鍛錬の日々を送る若手の突き上げとともに、残留組が若手のより高い壁となってこそ、広島のチーム力は上がっていく。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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