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野球 コラム 2024年10月18日

【広島好き】戦力外通告でカープを去る6選手の足跡を振り返る

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島東洋カープ

クライマックスシリーズ(CS)進出を逃したカープは少し早めのシーズンオフを迎え、選手の去就がニュースになる時期となりました。

シーズン最終戦では野村祐輔の引退セレモニーが行われましたが、このように自らの意思で引退できるのは限られた選手だけです。10月8日には球団から6選手と来季の契約を結ばないことが発表されました。

戦力外通告を受けたのは、支配下選手では岡田明丈、戸根千明の両投手に曽根海成内野手、育成は坂田怜、新家颯、藤井黎來の3投手です。

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支配下3人で唯一の生え抜き選手である岡田は、大阪商業大学から15年ドラフト1位入団で、1年目から18試合に登板して4勝3敗、防御率3.02をマークしてCSと日本シリーズでも先発登板。球団の新人投手として日本シリーズに先発したのは、1986年の長冨浩志に次いで史上2人目の快挙でした。

2017年には24試合に登板して12勝をマークするなど、ローテの中心としてチームのリーグ連覇に貢献。18年も26試合登板で8勝を挙げましたが、防御率は5点台と不安定な投球が目立つようになり、19年は一軍でわずか3試合登板と低迷しました。

その後は制球難や右肘の不調に苦しみ、21年秋にトミー・ジョン手術を行って2023年からは育成契約となり、今季の7月30日に支配下復帰を果たしましたが、一軍登板がないまま、今オフの戦力外通告となりました。

岡田と同時期に育成降格となっていた藤井は、大曲工業高校から2017年育成ドラフト2位で入団。プロ3年目の2020年に支配下登録となり、リリーフとして2022年には自己最多となる12試合に登板して、防御率3.86をマークしましたが、昨季は一軍登板がなくオフに育成選手として再契約。

今季は二軍で9試合登板も防御率8.10で支配下復帰はかなわず、戦力外通告となりました。落差のあるフォークが武器の本格派右腕は、名前にちなんで登場曲にエリック・クラプトンのバンドの曲である「いとしのレイラ」を使用していたのが印象的な選手でした。

戸根は2022年12月の現役ドラフトで巨人から移籍したサウスポーで、巨人時代にはルーキーイヤーから2年連続40試合以上に登板するなど、タフなリリーバーとして期待されました。

移籍1年目の昨季は、4月に移籍後初ホールド、同初勝利を記録するなど、24試合に登板して6ホールドポイントをマークしましたが、今季は一軍登板がなく、二軍でも16試合登板で防御率10.43と不振で戦力外となりました。

高校通算39本塁打の打力を買われて、巨人時代には二刀流挑戦した時期もあった個性派でしたが、10年間の通算成績は182試合登板、6勝2敗3セーブ、26ホールド、防御率4.04でした。

今回の戦力外選手で唯一の野手である曽根は、2013年育成ドラフト3位で福岡ソフトバンクに入団。2017年シーズン前に支配下登録されましたが、ホークスでは一軍出場わずか2試合のみで、2018年途中に美間優槻とのトレードでカープに移籍しました。

カープでは移籍直後から代打や代走で起用され、3試合目でプロ初安打、初打点を記録するなど11試合に出場して打率.278、2打点、1盗塁をマークしました。翌年からは代走、守備固めのスーパーサブ的な存在となり、内外野守れるユーティーリティ性でチームに欠かせない選手として活躍しました。

昨季もサヨナラ劇を演出する『神走塁』を見せるなど存在感を発揮していましたが、今季は3月のファームの試合での死球で左尺骨を骨折して出遅れ、一軍出場がないままシーズンを終了。二軍成績は56試合出場で打率.155と振るわず、戦力外通告となりました。

坂田、新家の両投手は、育成入団で支配下登録されることなく戦力外通告となってしまいました。坂田は日本球界では希少なナックルボーラーで、球団が2007年にカープでプレーしたフェルナンデス氏を臨時コーチに招くほど期待されていましたが、一軍でその姿を披露することはできませんでした。

24日に行われる新人選択会議(ドラフト会議)の結果を受けて、第2次の戦力外通告が行われることが予想されます。毎年のことですが、このようなニュースはさびしいものです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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