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野球 コラム 2024年10月7日

【楽天好き】創設20周年企画:「できることを積み重ねて、もっと魅力的なボールパークに」。スタジアム部部長の山縣大介さん

野球好きコラム by 松山 ようこ
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イーグルスタワーを指差す山縣大介部長

球団創設から20年の節目を記念して、チームの変遷を知る様々なスタッフに語っていただきました。シリーズ最終回は、コーポレート本部スタジアム部部長の山縣大介さん。

今シーズンから本拠地のナイター照明が全面LED化し、ナイター照明設備使用時の消費電力が約60%削減され、多彩な光演出が実現しましたが、その仕掛け人である山縣さんは感慨深く見守ったといいます。詳しく伺いました。

◆1950年の球場と1973年の照明を大切に

ここ10年のうちに、プロ野球界で続々と導入が進んだ照明塔のLED化。楽天では6年越しのプロジェクトで、今シーズンから導入が完了した。そこには選手ファーストや元からある照明塔を残したいという思いがあったという。山縣さんは語る。

51年前に作られた照明塔(写真:楽天野球団提供)

「あの照明塔は1973年からあって、震災も乗り越えた強い存在なので何とか残したかったんです。でも導入しようとした当初は、高さがなくグラウンドに近かったことをはじめ、器具の問題などいろいろな課題がありました。それが近年、技術が進歩し、他球場のLED導入によって選手も慣れていくなど、時間の経過とともに1つ1つ解決していくことができました」。

「1950年に完成した球場を生かして、1973年の照明塔を現存して今に至ります。あちこち錆もありましたが、それも綺麗にしてLED化できました。ファンの方に喜んでいただけるよう、ライティングの演出がたくさんできるようにもなりました。初めてリハーサルで照明塔が点灯するのを見た時は思わず泣いてしまいました」。

楽天モバイルパーク宮城(写真:楽天野球団提供)

◆「ゼロからの挑戦」三塁側の外周を砂利から“パーク”へ

山縣さんは「スタジアムのことは誰よりも詳しくなる」と目標を掲げて、現在の職務に専心する。原点となったのは、2015年の開幕に合わせて整備されたスタジアム外周部分の改修工事だ。

この年は、正門に入場ゲートやグッズショップ、そして三塁側に直径21m、高さ10mのドーム施設が新設されたが、山縣さんはこの一帯および、ドームの新設を担当した。

イーグルスドーム

当時、スタジアムに隣接するドーム施設は球界初。これまでに引退する選手のメモリアル展示をはじめ、トークショーなど、多様なイベントで活用され、現在はグッズショップとなっている。

「砂利しかない更地で、ゼロから形にした経験が礎になりました。アイデアを出し合って、リサーチして、企画をして、法律や建築について学びながら。施工業者の方たちと、会社のチームとでプロジェクトマネージャーのような役割を担いました」。

「一方で、日常業務としてスタジアムの運営統括も担っていたので、とにかく時間を費やして1つ1つ形にしていきました。大変でしたが、チャレンジできたことで、その後に繋がりました」と山縣さんは振り返る。

その後も、山縣さんは泉練習場の開発をはじめ、天然芝の管理、イーグルスタワーの開発など多数の改修工事に携わっている。

改修工事を重ねた楽天モバイルパーク宮城

◆ファンの歴史にも感慨。「人から道を聞かれるタイプです」

もともと山縣さんは、前職でショッピングモールなど商業施設の企画開発や改装をサポートする専門家として実績を重ね、2007年に楽天野球団に入社。2013年までは、スタジアム内のショップやグルメの充実に尽力してきた。

高い見識を持つプロだが、長身で柔和な物腰から「昔から待ち合わせの目印にされたり、人に道を聞かれたりするタイプでした」と笑う。仕事柄、よく球場を巡回するため、よく声もかけられた。当初からの顔見知りのファンも少なからずいるのだという。

「当時、小学生だった子が大学生になっていたり、50代だった人が70代になっていたりするので、感慨深いです。僕の場合、トラブルが起きた時の話し合いをした人なんかもいるんですが、解決して最後には理解し合えた経験もある。そういった思い出も積み重なって今があります」。

「これからも楽天イーグルスが持続可能な存在であり続けるため、できることを積み重ねてもっと魅力的なボールパークにしていきたい。ファンの方に感動してもらえるよう、社員みんなで取り組んでいきたいと思います」。

取材・文:松山ようこ/写真:松山ようこ、楽天野球団提供

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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