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野球 コラム 2024年10月1日

【楽天好き】創設20周年企画:「選手が満足のいくプレーで笑顔になれるよう、最高のサポートを」。一軍トレーナーリーダーの原添一徳さん

野球好きコラム by 松山 ようこ
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原添一徳さん(写真:楽天野球団提供)

球団創設から20年の節目を記念して、チームをサポートする様々なスタッフに話を伺います。シリーズ第8弾は、コンディショニンググループでトレーナー陣の一軍リーダーを務める原添一徳さん。

見るからに逞しい原添さんですが、「共感しすぎてしまう」と自認するほど心優しい治療のエキスパート。プロフェッショナリズムを追求するべく、トレーニングとサウナも活用します。詳しく伺いました。

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◆野球に携わりたいという思いで一念発起して脱サラ

原添さんは、いわゆるメディカルトレーナー。選手がケガをした時や不調がある時などの回復をサポートするのが主な役目。試合中、ケガをした選手の元へ駆けつけるスタッフの1人でもある。裏では医療機関と連携してリハビリのサポートをし、マッサージやストレッチ、鍼灸治療など医療面でのサポートを包括的に担う。

実は原添さんは、前職はゼネコンでサラリーマンだった。「最初の就職では高等専門学校で建築を学んだことが活かせました。現場監督として週6日働きながら、社会人としての基礎も学ばせていただきました。やりがいもあるし、面白かったですよ。でも、高専時代に野球を通じて人生観が変わった経験をしたことがあって、次第に野球に携わる仕事がしたいという思いが募ったんです」。

そこで一念発起して転職。治療院で働きながら、6年かけて専門学校でみっちり学び国家資格である鍼灸師と柔道整復師を取得した。「大変でしたが、充実していました」という原添さんは、その後のインターン時代を経て、2020年から楽天野球団でトレーナーとして働く。

◆その瞬間できることを後悔なく取り組む

満を持して野球界に身を投じた原添さんだが、1年目に自身の礎となった忘れられない経験をしたという。10月のある日のこと。ルシアノ・フェルナンド(2014年ドラフト4位入団)の担当だった原添さんは、いつものようにテーピングを彼のためにカットして準備していた。

ルシアノ・フェルナンド/左は現役時代(撮影:松山ようこ、右は現在(写真提供:LF AGENCY)

ところが、時間になっても選手が現れない。待ちあぐねた後、フェルナンドが球団に呼び出されていて、「来季の契約を結ばない旨」を通知されたと知った。いわゆる戦力外通告である。

「こんなにも突然に別れが訪れるのかと…。この仕事の重さを痛感した瞬間でした。だから選手をサポートする時は、日々その瞬間にできることを必ずやり切なければならないのだと。常に手を抜くことなく、最高のサポートをしなければ…と改めて胸に刻み込みました」。

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◆一喜一憂しすぎるので、リセットするために

チームのため、選手のため、日々の献身を誓う原添さんは自らを「ワーカホリック」と自虐する。その原動力は、働き者の母の背中だと明かす。

「母が1人で働いて育て上げてくれたのを見てきたので、自然と僕もそうなったんだと思います。サラリーマン時代は週6勤務でしたし、今も毎日ずっと仕事漬けになったとしても苦になりません」。

「ただ、性格的に選手の状況や気持ちに共感しすぎてしまうところがあるので、リセットするためにサウナに行きます。まあ結局、サウナ浴しながらも仕事のことを考えてはしまいますが、3~5セットほど繰り返すとリフレッシュするんです」

何でもないように5セット入るというのには目を見張ったが、原添さんは「カピカピになるまで入りますよ」と、ニカッと笑う。そんな親しみやすい人柄もあって、鍛えられた体躯をチーム内でいじられるようだ。原添さんは、それもありがたいことと毎朝のようにトレーニングに励む。

「でも、トレーニングも、より良い仕事をするためにしています。自分の“スイッチ”が入れられるんですよ。選手たちが来る前にトレーニングルームに行って、身体を動かして刺激を入れて、喝を入れる感じです。確かに仕事人間ですけど真面目一辺倒ではないですよ。いじられては僕もおちゃらけます。やっぱり楽しくやりたいじゃないですか」。

陽気な雰囲気を漂わせつつも、日々選手と真摯に向き合う原添さん。「やはり身体を触る仕事なので、ものすごくエネルギーを使う仕事ですが、楽天野球団のい一員であることに誇りをもっています」。

「関わった選手が満足のいくプレーをして笑顔になれるよう、最高のサポートをしていきたい。そして、これから先たくさんの良い景色をファンの皆さんと共有できるように、微力ながら頑張りたいです」

取材・文:松山ようこ/写真:楽天野球団提供

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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