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野球 コラム 2024年9月9日

【広島好き】首位攻防戦を前に先発復帰し、1安打1打点と復調気配の末包昇大にGキラーぶり発揮を期待

野球好きコラム by 前原淳
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首位攻防戦の鍵を握る末包昇大

首位攻防戦の鍵を握る末包昇大

10日からの首位巨人との首位攻防戦、末包昇大の打棒が鍵を握る。昨季巨人戦打率.344をマークした“Gキラー”だ。昨季シーズン11本塁打のうち、6本塁打が巨人戦だった。

今季も33打数11安打で対戦打率.333、2本塁打、9打点を記録する。セ5球団対戦別で見ても、打率は2位で本塁打はトップタイ、打点はトップの数字を残している。

5日DeNA戦まで16試合連続で4番起用されていたが、9月6日中日戦から2戦続けてスタメンから外れた。この4番での連続出場が始まった8月17日ヤクルト戦以降、2試合連続無安打はなし。ただ22日巨人戦以降は1試合複数安打が1度のみで固め打ちができず、打率は下降気味だった。21日に.285まで上げた打率は.264まで下降。ホームランは8月17日ヤクルト戦で2本塁打記録してから出ていない。

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左腕との対戦が続いたことも遠因だった。広島の先発野手に左打者が多いチーム事情もあり、対戦相手の先発に左腕が目立つ。後半戦は37試合中、22試合の先発が左腕。特に8月17日ヤクルト戦からの9月5日DeNA戦までの16試合では11試合で左腕が先発で、チームも7勝9敗と苦戦した。

左投手には右打者が有利と言われるが、左投手との対戦が続くとデメリットもあると右打者たちは口にする。球の出どころが右投手よりも見やすいことで、体の開きが早くなり、受けてしまいやすい。末包も今月上旬に同じような感覚に陥っていたが、底を脱した。

「自分の中で悪い状態ではなかった。一喜一憂せず、毎日良いものを出していければ」

3戦ぶりにスタメン復帰した9日中日戦では6番として出場し、タイムリーヒットをマーク。チームは敗れたものの、3日DeNA戦以来の打点に胸を張る。

優勝の行方を争う巨人との3連戦を前に、復調の兆しが見えてきたことは大きい。新井監督も「良かったんじゃないかな。ちょっと体調面を整えて、いい感じだと思いますよ」とうなずいた。

飛躍が期待された今季、負傷で開幕から出遅れ、打線の中軸に定着しつつあった6月下旬には再び負傷離脱を余儀なくされた。悔しい日々を過ごしてきただけに「自分は出場試合数が少ないので、出た試合で結果を残すことしか考えていない」と鼻息は荒い。

10日巨人3連戦は菅野智之、グリフィン、戸郷翔征の主戦3投手の先発が予想されている。戸郷には6打数無安打も、グリフィンには今季6打数2安打。今季初対戦の菅野には昨季、5打数3安打で2本塁打を放っている。先週6試合で1試合平均1.5得点に終わった打線の起爆剤となる働きが期待される。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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