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野球 コラム 2024年8月14日

【楽天好き】創設20周年企画:「気持ちよく外国人選手たちが野球に専念できるように」。球団通訳の佐野朋生さん

野球好きコラム by 松山 ようこ
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通訳の佐野朋生さん(写真:楽天野球団提供)

球団創設から20年の節目を記念して、チームの変遷を知る様々なスタッフに話を伺います。シリーズ第6弾は、運営部で通訳の佐野朋生さん。チームの外国人選手が試合で活躍し、ヒーローインタビューに応じる時に隣で通訳するスタッフなので、球場や中継で見たことのある人も多いかと思います。この仕事の魅力や裏方として心がけていることなど、詳しく話を伺いました。

佐野さんは幼少の頃をアメリカで過ごし、帰国後も日本で英語を磨きながら大学では体育学部のスポーツトレーナー学科に進学。大学卒業後は、英会話の講師などを経て、2012年から今の職務を担っている。

今年で13年目になるが「プロの選手を支えるスタッフとして、プロらしく技量も内面も成長していかなければならない」と気持ちを引き締める人だ。コロナ禍には空いた時間を活用して、スポーツメンタルトレーナーの資格を取得したという。

「オンラインでしたが、メンタルのメカニズムをはじめ多くを学んだことで、あらゆる面での言葉選びに活かすことができました。適切なサポートにつながっているなと実感しています」。

向上心を持って続けられている理由は、球団通訳ならではのやりがいがあるからという。「もともと英語が使えて、スポーツに携わることができる仕事を目指していましたが、今の仕事は日々に『勝ち負け』があります。絶えず緊張感と刺激があることに、今も魅了されているのだと思います」。

今でも緊張しますかと尋ねると、「しますよ、めちゃめちゃします。いまだに自分に対して、合格点を挙げたことはないです。そこを追い求めることができるのも魅力なのかなと」。

通訳には事前準備が不可欠だが、試合内容は事前に準備できない。そのため、ヒーローインタビューの前は、通訳自身が試合を通じてポイントを抑えながら、問われる可能性のある質問を想定して準備するしかない。

通訳のモットーとして「崩しすぎても、作ってもいけない。本質を捉えてわかりやすく、しかもそれを瞬時に」を心がける佐野さんは、「当初よりは、想定質問の正答率は上がりましたが、まだまだです」と笑う。

オンラインでインタビューに応じる佐野さん(写真:楽天野球団提供)

ヒーローインタビューの後は復習も欠かさないが、佐野さんには心強い味方がいる。同じ2012年に球団通訳として入社した2歳上の兄・周平さんだ。毎回すべて、チェックしてダメ出しをするのだという。

互いに通訳として切磋琢磨してきた当初からのルーティンで、周平さんは現在マーケティング本部で多忙な日々を送っているものの、合間に映像を見ては連絡し、具体的なアドバイスを送るのだという。

選手のサポートと自身の向上に余念がない佐野さんだが、今や球団では新しい通訳3人を育成する『先輩』だ。37歳にして、後輩とのジェネレーションギャップに苛まれているという。

「今の若い人に合わせてやっていかないといけないと思っています。なかなか想定外が多いですが、彼らがどういう時に落ち込むのか、自分がどう話せば伝わるかを考える日々です。なるべく相談してもらいやすくなるよう、コミュニケーションを取るよう心がけていますが」と語る。

通訳チームの技術向上と成長を目指して続ける。「ご存知のとおり、楽天イーグルスではここ数年ほど外国人選手が目立った活躍をしていません。そうした印象を拭うためにも、自分たち通訳チームが少しでもサポートを底上げできるよう、気持ちよく外国人選手たちが野球に専念できるようがんばっていきたいです」。

「そのためにも、若い後輩に成長していってもらいたい。僕が育成していかねばならない。僕もいまだに完璧な通訳にはほど遠いですが、日々誰もが失敗しながら成長していくものなので、100点満点じゃなくとも、60点、70点でいいので、100%の気持ちで取り組んでいってもらえるといいなと考えています」。

取材・文:松山ようこ/写真:楽天野球団提供

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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