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野球 コラム 2024年7月31日

今永昇太が求める「正解」と答え合わせの日々

野球好きコラム by 山田 結軌
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オールスター戦でハーパー(フィリーズ)に握手を求められる今永昇太

この言葉の数々が出てくるのは、常日頃から、考えや思いを言語化しているから違いない。カブスの今永昇太投手(30)は7月15日に行われたオールスター戦選出の全選手会見で“今永節”を炸裂させ、雄弁に語った。

「僕の好きな言葉があるんですけども『魔物は天下に住んでいる』っていう言葉がある。調子が良かったりとか、こうやってメディアの方に囲んでもらったりとか、有頂天になったときに、そこに悪いものがいるというか、僕はそういうふうに考えている。こういうふうに(注目を浴びる場)なればなるほど、地に足つけてやっていこうかなって感じですね」

好事魔多し、とことわざにあるように晴れの場であえて自戒を込めて語った。日本球界に在籍していた昨季以前から「投げる哲学者」や「今永先生」とニックネームがつくのも納得だ。注目を浴びるオールスターの記者会見の場だから、気の利いたことを言おう、かっこいい言葉で表現しよう、ということを思っていたわけではない。いつも考えているからこそ、とっさの質問にもよどみなく答えられる。

「自分の人生に正解しかないと思うので、僕が下した判断はすべて正解になると自分が証明していく。シカゴ(カブス)に入ったこと、アメリカに来たことは、正解だと思います」

カブスに入団したことは正解だったと思うか?という質問には、そのように即答した。自分によほどの自信がないとそうはいえない…と思ってしまう。いや、自信があってもなかなか言葉にするには躊躇してしまうのが、一般論ではないだろうか。今永はそう心から信じると同時に自分自身への“誓い”の意味合いも込めて、発言しているように思えた。

レッドカーペットショーに登場した今永昇太とエドウィン・スタンベリー通訳

「スプリングトレーニングの時から米国の打者に対しての高い壁は感じていて、自分が100%の力を出し続けなければ、または100%の力を出しても、もしかしたら通用しないときもあるかなと感じていた」

レベルの高さを痛感しながらも、米国流に適応し、考え方も柔軟に変化させてきた。

「一番根底にあるのは、自分のやりたいことはできないというふうに考えることが、何も気にしないことにつながる。ここはアメリカなので、僕のやりたいことはできないというか、ここはアメリカなんだっていうことをまず一番思うことが調整の秘訣ですね」

今永の奮闘がありながら、カブスはナ・リーグ中地区下位に低迷する。苦しむチームを支えながら、今永は自身の「正解」を求め、“答え合わせ”の日々を過ごす。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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@YamadaSANSPO

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