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野球 コラム 2024年7月16日

【広島好き】カープ、今後のカギを握る『苦手』の存在

野球好きコラム by 大久保泰伸
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マツダスタジアム

鬼門とされた交流戦を10勝8敗と勝ち越し、混戦のセ・リーグから一歩抜け出したように見えたカープですが、レギュラーシーズン再開後は7カードでカード勝ち越しは東京ヤクルト相手の2回のみと苦戦が続いています。

この失速の要因は、12球団トップのチーム防御率を活かせない攻撃陣にあることは間違いなさそうですが、もうひとつ言えるのが『苦手』の存在です。混戦のセ・リーグを勝ち抜くためには、交流戦のように苦手の克服が必須となるわけですが、今後の戦いのためにも、その払拭すべき点を整理しておきましょう。

まず、現在のチームで最大の『天敵』と言えるのが阪神の大竹耕太郎で、今季3試合の対戦で0勝2敗、対戦防御率は0.45。昨季も7試合で0勝6敗、同0.57と完全にカモにされている状態です。多彩な球種で緩急を駆使した投球が持ち味のサウスポーですが、時折見せる70キロ台の『超遅球』で翻弄される打線は、完全に見下されている感もあります。

現役ドラフトで福岡ソフトバンクから移籍し、リーグが変わってブレイクした大竹ですが、今季は巨人、横浜DeNAとの上位勢とはほとんど対戦がなく未勝利。昨季を見てもこの2チームからは1勝ずつしか挙げておらず、なんとか攻略してもらいたい存在です。

今季もBクラスに低迷している中日ですが、カープは今季3勝9敗1分と大きく負け越しています。4月にはマツダスタジアムで3試合連続完封負けを喫するなど、ここまで完封負けが6試合、スコアレスドローが1試合。ちなみにオープン戦でも完封負け2試合と、中日投手陣には手も足も出ない状態と言っても過言ではないかもしれません。

なかでも高橋宏斗は、今季ここまで3試合の対戦で0勝2敗、23イニング無得点に抑えられており、昨年も3試合で1勝1敗ですが、対戦防御率は.0.95と、もはや『苦手』のひと言では片付けられない状況になっています。

中日ではもう1人、柳裕也も今季2戦2敗、14イニングで得点を奪えていません。昨季は8試合で3勝2敗でしたが、対戦防御率は1.36と、貧打同士の戦いで最小限でも得点した方が勝ち、という状況になっています。

打者で言えば、阪神・近本光司が対戦打席.353、横浜DeNAではドラ1ルーキー・度会隆輝が同.355、オースティン、関根大気に3割台後半と打たれています。中日のカリステは対戦打率こそ.275ですが、今季6本塁打中3本がカープ戦で7打点と、投手戦の展開で手痛い一打を浴びている印象があります。

他にも打たれている選手はいますが、今季東京ヤクルトを9勝2敗と圧倒しているのは2022年に13本塁打、昨季も8本塁打を打たれた村上宗隆を対戦打率.150、1本塁打と封じていることが大きな要因となっているのは間違いないだけに、被打率の高い打者への対策も期待したいところです。

選手だけでなく、球場の相性というのも見逃せない案件です。長年『鬼門』とされてきた中日のバンテリンドームでは今季も2勝5敗1分と苦戦していますが、今年はマツダの中日戦でも1勝4敗とアドバンテージを活かせていません。

昨季2勝10敗と大きく負け越した東京ヤクルトの神宮球場は、今季ここまで2勝2敗ですが、マツダでは昨年の11勝1敗1分に続き、今季も7戦全勝と、こちらは極端過ぎるほどホーム有利の状況が顕著となっています。

今季ここまで1勝(5敗)しかしていない巨人の東京ドームなど、なぜか相性のよくない球場も多々あ離ますが、苦手な球場でも鬼門を克服した交流戦のように、まずは勝率5割を目指し、安定した戦いを続けることが優勝争いを勝ち抜くためにも必要になってくるはずです。

長いシーズン、同じ相手と戦っていく中では、『苦手』がある分、当然『得意』もあるわけで、ある程度の偏りは仕方のないことなのかもしれませんが、より高い位置を目指すために、不安要素を1つでも減らすための対策を期待したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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