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野球 コラム 2024年7月15日

【広島好き】広島大瀬良大地投手ノーノー達成後の盛り上がりの中で感じた"違和感"

野球好きコラム by 前原淳
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大瀬良と會澤

記念グッズに使用された実際の写真

どこかに違和感を覚えた。6月7日ロッテ戦で広島の大瀬良大地投手(33)が史上90人目のノーヒットノーランを達成した。翌8日には記念グッズの販売が発表され、同26日ヤクルト戦の前には表彰式が行われた。違和感は、記念Tシャツやクリアファイルに使用されている写真、表彰式のときに大型ビジョンに映し出されたメインの写真にあった。

記念グッズの写真や、表彰時のビジョンに使用される写真は達成した選手の投球写真やガッツポーズした写真が一般的だ。だが、大瀬良のノーヒットノーラン達成後、多く目に触れる写真はソロじゃなかった。両手を広げて喜ぶ大瀬良を、それ以上にうれしそうな笑顔で抱きかかえた会沢との写真。達成者1人の写真が使われないのは珍しい。どこかに違和感を覚えたのは、それだった。

実際に22年以降、ノーヒットノーランを達成した投手の記念グッズを調べてみた。22年の佐々木(ロッテ)、東浜(ソフトバンク)、今永(DeNA)、山本(オリックス)、ポンセ(日本ハム)。昨季の石川(ソフトバンク)、山本(オリックス)。そして今年の戸郷(巨人)まで、8投手の記念グッズは球団から発売され、すべて個人の写真が使われていた。

22年オリックス山本の記念グッズ第3弾として出された記念メタルフォトフレームとして捕手の若月と抱き合った写真が使われていた。ただ、今回の写真は捕手の表情も映り、主役であるはずの投手の顔が横向きなのも珍しい。

写真を選んだのは球団担当者だが、もちろん本人にも確認を取った上で決めている。大瀬良本人に理由を聞いてみた。

「僕もアツ(会沢)さんと一緒に映った写真を使ってもらいたいと思っていたので、球団もあの写真を選んでくれていたので良かった」

会沢がスタメンマスクの機会を増やした14年に大瀬良が入団した。昨季まで先発した192試合のうち131試合で会沢が球を受けてきた。バッテリーを組み始めた当初、大瀬良は互いを知るために積極的に話しかけ、食事にも誘った。一方の会沢も、すれ違うときには声をかけながら表情や声のトーンなどで心の内を探るようにしていた。捕手が女房役と言われるように、投手と捕手との関係は一朝一夕で築かれない。

大瀬良は新人王を獲得した翌15年にはチーム事情から中継ぎに配置転換され、何度もケガに見舞われた。会沢もケガの多かった。苦楽をともにしながら、3連覇に貢献。18年には最優秀バッテリー賞を受賞した。

昨季までバッテリーを組まない時期もあったが、初めて先発バッテリーを組んだ14年5月16日巨人戦から140試合目に成し遂げた偉業ー。あの写真が象徴する写真となったことは、大瀬良にとって至極当然のことだった。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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