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野球 コラム 2024年7月2日

【広島好き】カープ、多くの『今季初』で貯金を増やした6月の最終週

野球好きコラム by 大久保泰伸
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森下暢仁(カープ)

マツダスタジアムで東京ヤクルトを3タテした後、東京ドームで巨人に負け越し。6月最終週のカープは、今季の『強み』と『弱み』がわかりやすく出たような1週間でした。それでも4勝2敗で貯金を増やし、2位と3ゲーム差で首位の座をキープした先週は、多くの今季『初』があった週でした。

まず25日のヤクルト戦では、森下暢仁が被安打わずか2の投球で今季初完封勝利をマーク。しかも投球数91で自身プロ入り後、初となる100球未満の完封"マダックス"の達成でした。さらに打撃でも1打席目から3打席連続で安打を放って今季二度目となる猛打賞を記録。今季は打率.429と、まさに『コイの二刀流』と呼ぶべき成績を残しています。

試合前に末包昇大の登録抹消が発表された26日は、3番・レフトでスタメン出場した上本崇司が、4打数2安打2打点と活躍。初回に先制タイムリーを放ち、2点リードの5回にはタイムリー二塁打でチームの勝利を決定づけました。23日の中日戦から3戦連続で3番起用となった上本ですが、1試合で2本のタイムリーを記録したのは、プロ12年目で初めてのことでした。

同一カード3連勝がかかった27日は、終盤に逆転を許して劣勢の展開でしたが、土壇場の9回に打率1割台と打撃不振に苦しむ會澤翼の2点タイムリーで、チームは今季初のサヨナラ勝ちとなりました。

先発したアドゥワ誠の失点は、全て味方の失策が絡んだもので、6回3失点も自責点はゼロ。その後は塹江敦哉と黒原拓未が無失点でつなぎ、9回をゼロで抑えた矢崎拓也が今季初勝利をマークしました。

カードが変わって28日の巨人戦では、5回に堂林翔太が今季1号となる先制のソロ本塁打を記録。試合は9回に菊池涼介が起死回生の同点弾を放って延長戦に入りましたが、10回に栗林良吏が丸佳浩に一発を浴びてサヨナラ負けとなりました。

試合前まで栗林と丸の通算対戦成績は13打数0安打7三振と、栗林が完璧に抑えていましたが、初めて許した安打がサヨナラ本塁打と、痛恨の被弾となってしまいました。

29日は先発した大瀬良大地が、7回1死まで無失点に抑え、佐々岡真司氏を抜いて球団歴代2位となる35回1/3連続無失点を記録。1点リードで勝ち投手の権利を得ながら、8回に島内颯太郎が失点して大瀬良は今季5勝目を逃しましたが、菊池の2試合連続となる9回表の本塁打がこの日は決勝点となり、チームは東京ドームで今季初勝利を挙げました。

6月が終了してちょうど70試合を消化と、レギュラーシーズンも折り返しに差し掛かろうとしていますが、この時点でもこれだけの『今季初』があったのは、ちょっと意外にも感じます。

今週はマツダスタジアムの阪神戦(今季1勝3敗1分)、バンテリンドームでの中日戦(1勝4敗)と、やや分が悪い対戦が続きますが、ここでも『今季初』でチームを勢いづけてもらいたいものです。

そこで期待したいのが、初戦に先発する森下が自身6連敗中で、2022年4月9日以来、勝ち星のない阪神戦での今季初勝利。さらに5日の中日戦に先発予定の床田の今季初完投、さらに初完封勝利、野手では3番起用が続く上本の今季初の猛打賞、スタメン起用時のチームの勝率が7割を超える會澤の今季初本塁打、といったあたりでしょうか。

いずれにしても、今週も週間勝ち越しを果たして、今季初となる貯金2ケタ到達に期待したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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