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坂倉将吾(広島東洋カープ)
広島は37勝29敗4分けで、2位に3ゲーム差をつけて首位に立つ。オールスター戦まで17試合。後半戦までどれだけ貯金を増やせるか。後半戦の戦いに大きな鍵を握る。
安定した戦いを支えているのは、投手陣だ。チーム防御率2.05はリーグトップ。先発防御率2.10だけでなく、救援防御率1.95もリーグトップとバランスがいい。3点差以内の試合では25勝20敗で最多の貯金を誇る。
◆3点差以内の勝敗
広島:25勝20敗
DeNA:22勝22敗
巨人:26勝27敗
阪神:25勝23敗
ヤクルト:21勝29敗
中日:25勝23敗
新井監督が掲げる「投手陣を中心とした守り勝つ野球」で白星をつかみ取っている結果だ。
明日2日から始まる7月戦線は、2日から阪神、5日からは中日との6連戦となる。両球団は上記の「3点差以内の勝敗」で勝ち越していることからも分かるように、広島とともに投手力を武器とするチームカラー。いずれのカードも、接戦となる展開が多い。阪神とは今季5勝4敗1分け。中日には3勝6敗1分けとセリーグで唯一負け越している。
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広島 vs.東京ヤクルト|プロ野球2024公式戦(6月27日)
ここまで2カード計20試合のうち半数の10試合で無得点となっていることからも、先制点が特に大きな意味を持つカードといえる。交流戦明け2勝4敗1分けと負け越す阪神だが、2日からの3連戦はいずれも好投手が予想される。今季初対戦となるリーグ最多8勝の才木から、ローテーション通りならば広島が昨季苦手とした大竹、村上の2投手が続く。
村上には前回対戦の5月21日に5点を奪ったものの、3ラン含む2安打3打点と打線をけん引した末包が離脱となった。競った試合展開を打破する役割を担う打者の台頭が待たれる。
期待される選手は坂倉か。交流戦明け5試合で打率.200にとどまるも、長打率は.533をマークする。6月26日ヤクルト戦では80打席ぶり本塁打放ち、翌27日ヤクルト戦ではサヨナラ打と、勝負強さが戻りつつある。マスクを被らない試合でも一塁での出場も増えているだけに、バットでの貢献も期待される。
広島打線は今季、週末に対戦する中日投手陣を特に苦手としている。今季10試合でチーム打率.218。1引き分けを含め6度、無得点に抑えられるなど、1試合平均1.6点しか奪えていない。
バンテリンドームで2勝2敗1分けと五分に戦えているのは、5試合で8失点に抑える投手陣の踏ん張りあってこそ。梅雨に入り、これから暑さが増す夏場は投手陣に疲労の色が見え始める時期となる。打線がいかに投手陣を援護できるか―。左太もも裏痛で離脱の末包は後半戦まで帰って来られそうにない。7月戦線最初の6連戦、打線が投手を援護する展開に持って行ければ、夏場の戦いに向けて視界も開ける。
文:前原淳
前原淳
カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun
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