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野球 コラム 2024年6月20日

【横浜好き】一軍復帰した度会隆輝が活躍、交流戦を怒涛の7連勝

野球好きコラム by 大久保泰伸
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度会隆輝(横浜DeNAベイスターズ)

怒涛の7連勝で交流戦が終了。終わってみれば、当初の目標だった連覇こそ逃しましたが、11勝7敗でセ・リーグでは最高順位、12球団中では3位という好成績でした。

6月9日の福岡ソフトバンク戦で連敗を4で止めると、先週は敵地で千葉ロッテ、埼玉西武を相手に6戦全勝。この快進撃の大きな要因となったのが、11日に一軍復帰したドラフト1位ルーキー・度会隆輝です。

復帰初戦の第1打席でいきなり2点タイムリースリーベースを放つと、ここから球団新人記録を更新する6試合連続タイムリーを記録し、週間成績は26打数10安打の打率.385、10打点をマークしました。

今季はスタートから「今週の度会」コーナーを続けてきましたが、今回はスペシャル版としてコラムまるごと「度会」でいきたいと思います。

◆一軍復帰戦、地元千葉で大活躍

一軍に再登録された11日の千葉ロッテ戦、9番・ライトで昇格即スタメン出場。0-0の2回に伊藤光、大和、井上絢登の3連打で先制した後、なおも無死1・3塁のチャンスでロッテ先発・小島和哉から右中間を破るタイムリー3塁打を放った。

この日の安打はこの1本のみで4打数1安打だったが、約1ヶ月ぶりとなった一軍の舞台で上々の再スタートとなった。12日は8番で5打数2安打。5回の第2打席に先頭打者としてショートへの内野安打で出塁すると、続く6回には2死1・2塁の場面でロッテ2番手・坂本光士郎からセンター前にタイムリーを放った。前日と合わせて2本のタイムリーは、いずれも左投手からの価値ある一打だった。

同一カード3連勝となった13日は2番で4打数3安打の猛打賞。ロッテ先発・西野勇士から初回にセンター前ヒットを放つと、続く3回には1死2塁の場面で追加点となるライトへのタイムリー。5回にもセンターへ安打を放って自身5度目の猛打賞となり、試合後はヒーローインタビューを受けた。

千葉県出身の度会にとってZOZOマリンスタジアムは「中学校でも社会人でも試合をやっている」思い出の場所で、最高の形での地元凱旋となった。

◆父・博文さんに「父の日のプレゼント」

カードが変わって14日の西武戦も2番で4打数2安打1四球と、2試合連続のマルチ安打を記録。3回の第2打席、2死2・3塁の場面で西武先発・青山美夏人から三遊間へ先制点となるタイムリー内野安打、同点の6回には先頭打者としてセンターへの安打で出塁し、勝ち越し点となるホームを踏んだ。

15日は5打席で1安打のみだったが、3回1・2塁の場面でのサードゴロが三塁走者の森敬斗の好走塁もあり1打点。5回には1死3塁で西武先発・高橋光成からセンター返しのお手本のようなタイムリーを放った。新人の5試合連続打点は、球団では松竹ロビンス時代の1951年矢野純一、大洋ホエールズ時代の1960年黒木基康に並ぶ最長記録となった。

そして、16日には初回の1死2塁の場面で西武先発・渡邉勇太朗から高めのボール球をうまく弾き返し、センターへの先制タイムリーで球団記録を更新した。さらに9回の第5打席にも犠牲フライを放って4打数1安打2打点。この日は父の日で、スタンドでは元ヤクルトの選手だった父・博文さんが観戦しており、「いい父の日のプレゼントになった」と喜んだ。

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筒香嘉智の復帰や蝦名達夫、梶原昂希の台頭などで熾烈極まる外野争いの中、ファームでの1ヶ月で見事に立て直し、昇格してすぐに結果を残すのは、さすが並ではないルーキーと言えるでしょう。

一軍復帰時に.231だった打率は.259まで急上昇。チームも今季最長を更新する7連勝で、一時は6まで増えた借金も完済して貯金1、首位と3ゲーム差の4位でレギュラーシーズン再開となります。

今季はどのチームも決め手を欠くセ・リーグ、さらに投高打低が顕著な状況で、リーグ随一の破壊力を誇る打線が、スーパールーキーの復調とともに、面白い存在になってきました。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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