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野球 コラム 2024年6月11日

【広島好き】大瀬良大地がノーヒットノーラン。そこで過去のカープのノーヒッターについて調べてみた

野球好きコラム by 大久保泰伸
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大瀬良大地(カープ)

大瀬良大地が7日の千葉ロッテ戦でノーヒットノーランを達成しました。NPB史上90人目、102回目の記録は、カープでは2012年の前田健太(現デトロイト・タイガース)以来5人目、マツダスタジアムでは初のノーヒッターとなりました。

大瀬良を含めた先発投手陣の好調もあり、6月10日現在のチームは鬼門の交流戦で勝率5割をキープし、セ・リーグでは首位に立っていますが、過去のカープのノーヒッターについて、さらに記録を達成したシーズンのチーム成績はどうだったのか、調べてみました。

直近のノーヒットノーランは、前述した2012年4月6日の前田健太で、相手は横浜DeNAでした。この年の前田はプロ6年目の24歳。10年に15勝8敗、防御率2.21、174奪三振で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の投手三冠に輝き、自身初の沢村賞も受賞した前田は、2011年も192奪三振で2年連続のタイトル獲得。

3年連続の開幕投手となった2012年は、開幕戦黒星の後、シーズン2度目の登板で大記録を達成しました。

この年まで3年連続200イニング以上登板と、全盛期に近いマエケンを擁したチームですが、当時は先発投手の駒不足が顕著だった時期で、同年も前田は14勝をマークしましたが、2ケタ勝利を挙げたのが大竹寛と2人のみで、チームの最終順位は4位に終わっています。

マエケンの前のノーヒッターが、一昨年まで監督を務めていた佐々岡真司です。1999年5月8日、旧広島市民球場での中日戦でプロ10年目、33歳のシーズンでした。

プロ2年目に最多勝、最優秀防御率の投手2冠、沢村賞の活躍でリーグ優勝に貢献し、シーズンMVPも獲得した右腕は、その後も先発のみならず、クローザーとしても投手陣の柱となりました。

1994年から5年間で73セーブを挙げた抑えから先発に戻った1999年は、リーグトップの13完投、5完封をマークして15勝を記録しましたが、この時期も打高投低が顕著なチームで、最終順位は5位に終わっています。

時代はさらに遡り、赤ヘル以前、1970年代のチームで、1971年8月19日の中日戦にノーヒット・ノーランを達成したのが藤本和宏です。藤本はエース級というわけではなく、通算勝利数が10勝という左腕で、その10勝も同年のみでマークしたものでした。

西鉄ライオンズを自由契約となり、1970年にカープへ移籍した藤本は、プロ5年目、24歳のシーズンに大記録達成となりました。当時のカープは1975年の初優勝前の『万年最下位』と言われていたチームで、この年の最終順位は4位。同年に藤本は防御率1.71で最優秀防御率のタイトルを獲得しましたが、まさに『一瞬の輝き』とでも言うべきサウスポーでした。

そしてカープの『ミスター・ノーヒッター』と言えるのが外木場義郎です。大瀬良と同じ背番号「14」の剛球右腕は、ルーキーイヤーの1965年10月2日、阪神戦でのノーヒット・ノーランが、なんと自身のプロ初勝利でした。

試合後に新聞記者から「このような大記録を達成して大成した投手は少ない」と言われた外木場は「なんならもう1回やりましょうか」と、新人らしからぬ返答。しかし、その言葉通りとなった1968年9月14日、大洋ホエールズ戦での2度目の記録達成は、当時のセ・リーグタイ記録の16奪三振、そしてなんと1人も走者を許さない完全試合という快挙でした。

さらに1972年4月29日には、当時V9の真っ只中だった巨人を相手に3度目の記録達成。日本プロ野球史上、3度のノーヒット・ノーランを成し遂げたのは、賞にも名前を残す沢村栄治に次ぐ2人目で、完全試合ありは後にも先にもいない前人未到の大記録です。

外木場の場合も『初優勝以前』の記録のため、チームのシーズン最終順位は5位、3位、6位で、結論から言えばカープからノーヒッターが誕生したシーズンでリーグ優勝はありません。

個人記録は必ずしもチームの順位に直結しない、というある意味、当然のことかもしれませんが、今季は是非ともそのジンクスを打ち破ってもらいたいものです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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